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大型トラック エアサスペンション車V-ロッド点検について

  平成17年6月29日および平成19年2月5日に三菱ふそう製大型トラック・バスの一部車両につきまして、クラッチレリーズフォーク不具合リコール(No1467およびNo1809)を実施しておりますが、届出対象外とした車両においても、点検・整備作業に起因としたクラッチレリーズフォークが亀裂・破損する事例が一部発生しております。
その要因としてはクラッチシフターのグリース不足、指定外グリース使用等による潤滑不良による摺動抵抗増大などが上げられます。
摺動抵抗が増大した状態で使用を続けますと、クラッチレリーズフォークに過大な負荷が掛かり、最悪の場合レリーズフォークが破損し、走行不能等の重大故障に至る可能性があります。 つきましては、点検・整備に定められた確実な整備の実施をお願い致します。

[ クラッチレリーズ構造例 ]
<プル式>

<プッシュ式>


不具合事例


【点検・整備基準】
クラッチシフター部のグリース給脂
給脂箇所  :   ・クラッチシフター部(クラッチレリーズベアリング)
     ・クラッチレリーズシャフトニードルベアリング部
給脂インターバル  :   25,000kmごと
銘柄  :   テンプレックスN3【部品番号MZ101625(エクソンモービル ユニレックスN3)】
給脂方法

・給脂用ニップルから指定グリースを充填してください。
・適量給脂後クラッチブースタのリターンスプリングと、クレビスピンを外し、クラッチレリーズレバーを車両前後に動かして抵抗感無くスムーズに動くことを確認してください。
・確認後プッシュロッド遊び量を正規に調整願います。


弊社指定グリース(テンプレックスN3、又はユニレックスN3)の入手性を考慮し、下記による代替も可としました。
銘柄  :   三菱ホイールベアリンググリース(部品番号:MZ102416等)
給脂インターバル  :   5,000kmごと(インターバルが短くなっておりますので注意ください)


<給脂時の注意事項>
指定グリースを必ず使用してください。(シャシグリースは絶対使用しないでください)
指定グリース以外を使用すると、次の不具合が発生するおそれがあります。
クラッチハウジング内部は走行中、常に高温状態となっています。このため、シャシグリース等の耐熱性の低いグリースを使用した場合、走行中にグリースが液状化して流出し、グリース本来の機能を失います。(走行中のグリース温度範囲と耐熱温度の関係を次頁の図に表示しています。)
 複数のグリースが混在した場合、グリース同士の影響によりグリース本来の機能を発揮しなくなる場合があります。

給脂インターバルを守ってください。
インターバルが長い・給脂量が少ない場合、グリースの油分が枯渇しグリース本来の機能を発揮しないだけではなく、枯渇したグリースが摩耗紛等のクラッチハウジング内のダスト類と混ざり塊となり、レリーズベアリングの摺動部分に残ることで摺動抵抗増大の要因となります。

上記のグリース給脂等に関し過去の整備が不十分な場合、クラッチコントロール関連部品にダメージを受けている可能性があり、今後クラッチコントロール関連部品に不具合が生じる場合がありますので新品部品への交換をお勧めします。尚、ご不明な点はお近くのふそう系ディーラーにご相談ください。




<点検・整備作業時の留意点>
○クラッチレリーズベアリング
・交換するレリーズベアリングの内径摺動部に指定グリースを適度に充填すること。
・グリース給脂用フレキシブルホースとベアリング側ニップルを確実に接続すること。

○クラッチレリーズフォーク
(1) カムフォロアが正規に取り付けられていること。
(カムフォロア付クラッチレリーズフォークの場合)

(2)キーの組み付け方向が正規に組みつけられていること。
・キーを取付ける際は、図示A、Bを測定し、幅の大きい面(B面)を シャフト円周方向にして取付ける。
(キー幅寸法 A=6.87〜7.00mm B=7.019〜7.028mm)
・キーは、シャフトキー溝両端にあるR部に乗り上げないように、
キー溝の中心に取付ける。

(3)シャフトとフォークの組み付け時に、潤滑剤を使用しないこと。

(4)フォークのセットボルト締め込み時に最後まで底付き感無く締めら れること。
(セットボルトはフォークが左右にずれないためのものであり、 ボルト先端はシャフ トの逃げ穴に入りシャフトとは直に当た らない状態が正規です。)

(5)レリーズフォークニードルベアリング
・レリーズフォークシャフト交換時に、ニードルベアリングの シール部を傷つけないように注意すること
・ニードルベアリングをクラッチハウジングに組み付け る際には、黄色いシールが有る側をクラッチ ハウジング外側に来るように組みつけること。