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三菱ふそう

大型トラック「スーパーグレート」シリーズを大幅改良し新発売

〜尿素SCRシステムを採用して経済性と環境に配慮〜

2007年4月23日

三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下:MFTBC)は、大型トラック「スーパーグレート」を大幅に改良し、4月23日(月)全国の三菱ふそう地域販売部門および三菱ふそう販売会社より発売しました。 今回の改良は、尿素SCRシステムを採用して、NOxを大幅に低減するとともに、エンジンにも改良を加えることでPM(粒子状物質)も大幅に低減。全車、平成17年度新長期排出ガス規制の最高レベルである“NOx、PMともに10%低減”を達成(BDG)し、低排出ガス車認定を取得しました。 加えて、新短期排出ガス規制対応車を上回る燃費性能(尿素水の購入費用を含めたランニングコストは同等)を実現し、経済性を重視した結果、一部の車種については、平成27年度重量車燃費基準を達成しました。

「新型スーパーグレート」の主な特長
尿素SCRシステムによるNOxの低減、エンジン本体の改良によるPMの低減により、平成17年度 新長期排出ガス規制適合・低排出ガス車認定最高レベルのBDGを取得しました。
さらに燃費向上によるCO2の削減により、環境にやさしく、経済性に優れた商品としました。
キャブの内外装デザインを一新しました。
燃費向上、ドライバーの快適性を向上する2ペダル方式の「INOMAT-II」を採用しました。
運転注意力モニター「MDAS-III」をカーゴ系に標準装備しました。
新灯火器規制に先行対応しました。

大型トラック 新型スーパーグレート(撮影用特別仕様車)


1.商品特長
(1)法規制適合
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平成17年度新長期排出ガス規制への適合
尿素SCRシステムと高精度クールドEGRの採用により、世界でもっとも厳しい排出ガス基準をクリア(新短期比でNOx40%、PM85%減)しました。

A

低排出ガス車認定 最高レベルBDG取得
NOx、PMともに新長期排出ガス規制値から10%低減し、低排出ガス車認定制度 最高レベルのBDGを取得しました。

B

新灯火器規制に対応
デザインを一新したキャブは、三菱ふそうのデザインアイデンティティを忠実に再現しながらも、新灯火器規制に対応しました。

C

ECE規制に先行対応
サイドターンシグナルランプは“ECE規制(車両等の型式認定相互承認協定規則)”に先行して対応しました。

D

FUPをオプション設定
乗用車がフロントバンパー下へもぐり込むことを防止するためのFUP(フロント・アンダーラン・プロテクター)をオプション設定しました。FUPは、RUP(リヤ・アンダーラン・プロテクター)に続いて2011年の規制化が決定しています。


(2)尿素SCRシステムの採用
エンジンの燃焼状態を最適化することによってPMの低減を図っていますが、二律背反の関係にあるNOxの低減と低燃費を両立させる技術として「尿素SCRシステム」を採用しました。このシステムはSCR触媒マフラーと尿素水添加システムで構成され、尿素水から生成したアンモニアの化学反応によってNOxを、無害な窒素と水に分解します。尿素水タンクには、凍結による尿素水の凝固を防ぐためにエンジン冷却水を循環するシステムを導入しています。またこれと同時に、尿素水配管には電気ヒーターを装着しました。

燃費へのこだわり
尿素SCRシステムによるNOxの分解だけでなく、エンジン本体の燃費性能を向上させることでCO2の発生を抑えることにも徹底的にこだわりました。

ベースエンジンの高い環境適合性
燃焼効率を高めることによって、新長期排ガス規制のNOxとPMともに10%低減し全車低排出ガス認定を取得しています。一部車種については燃費基準にも適合しています。

経済的でCO2削減効果が望める尿素水
尿素SCRシステムで消費する尿素水の使用比率は運転状況にもよりますが、燃料100に対して尿素水は約3と非常に経済的です。「新型スーパーグレート」は、エンジン本体にチューニングを施すことによって燃焼効率を高め、燃費性能を改善しています。従来型に比べて軽油の消費量が減少した分、CO2の削減に寄与しており、また、尿素水の購入費用を含めたランニングコスト(軽油代+尿素水購入代)は、従来型(PJ-系。軽油代のみ)と同等レベルとするなど、高い経済性を確保しています。


(3)エンジン
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低速トルクを増大させて燃費を向上
エンジン各部のチューニングにより低速トルクを増大(最大12%増大。従来車比)させました。さらに、増大させたトルクの恩恵を駆動系減速比の低ファイナル化に還元。その結果、新短期排出ガス規制適合車と比べて燃費が3%向上しました。(社内計測値)

A

高精度クールドEGRによるNOx制御
従来車で採用してきた排出ガス再循環システム「クールドEGR」を、「新型スーパーグレート」ではEGRガス量を緻密にコントロールすることによって、NOx低減効果をさらに高めることに成功しました。これを可能にしたのが「空燃比フィードバック式制御」です。これまで以上にエンジンに適切なEGRガス量を供給することが可能になりました。また、排出ガスの後処理装置である「尿素SCRシステム」との連携を強めることで、一層の環境性能の向上を図っています。


(4)エクステリア/インテリアデザインの一新
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標準キャブとスーパーキャブのデザイン性を統一
新しいフォルムの中に「ふそう」らしいデザインを構築しました。シンプルでクリーンな面構成、メリハリの効いたラインを組み合わせることにより「躍動感」を具現化しています。シリーズの旗艦モデルに恥じない風格を出すとともに、外観の変化のみを追求するだけではなく、室内の広さやユーティリティ側からのアプローチを充分に検討しました。また標準キャブとキャブ高が190mm高くなるスーパーキャブのデザイン性を統一。2タイプのキャビンにマッチするデザインコンセプトを採用し、新灯火器規制にも対応しました。

A

使い勝手を向上させたインテリア
これまで三菱ふそうが培ってきた、機能性重視の運転席まわりの美点はそのままに、室内空間の質感を向上させています。フルカラー多重表示の新マルチ情報システムIvis(アイビス)を装備した新型メーターを全車に標準装備する等、大胆な造形の中に使い勝手を追求したインストルメントパネルを構築。シャープなデザインのインストルメントパネルから広がる室内空間は、デザインと機能を両立させた上で、大型トラックに求められる「心地よさ」をテーマに設計しています。形状を一新した運転席にはドライバーの疲労軽減を考え、全車エアサスシートを採用しました。また、助手席には座面跳ね上げ式を採用し、使い勝手を向上しました。


(5)2ペダル方式の「INOMAT-II」を採用
「新型スーパーグレート」では、電子制御機械式オートマチック「INOMAT(イノマット)」をさらに発展させたクラッチペダルのない2ペダル式「INOMAT-II」を、カーゴ系を中心に幅広く採用(ダンプ・トラックは除く)しました。2ペダルとすることで、クラッチ操作から解放されるとともに、積荷や勾配に応じ適切な発進ギヤ段が自動選択されるため、ドライバーの大幅な疲労軽減が望めます。また、アクセルを踏み込んでも1,600rpm付近でシフトアップし、キックダウンをしづらくした「ECOモード」機能を追加することにより、アクセルを踏み込んでも低燃費運転が可能になりました。ドライバーの技量を問わない経済的なトランスミッションとして、更なる進化を遂げています。また、モーター制御方式を組み込んだことでシステムの信頼性向上と軽量化を実現しています。

(6)運転注意力モニター「MDAS-V」の採用
長尺カーゴ系に標準装備の(FP-R,FT-Pはオプション)運転注意力モニター「MDAS-V(エムダス)」は、Ivisと連携してドライバーに注意力低下を警報する三菱ふそう独自の運転支援システムです。警報にはIvisによる注意力レベル表示のほか、ブザーやラジオのスピーカーを利用した警報も備わっています。キャブ中央に配置された白線認識カメラによる画像や、ハンドル修正量、ウインカー操作などの情報をもとに、蛇行運転などの運転状況や操作状況から注意力を判断して、必要な場合に警報(注意力低下警報)を発します。判断ロジックにはファジィ推論を応用し、Ivisの表示画面にその結果を表示(毎1分更新)します。なお、車速60km/h以上で、両側の車線を認識すると15分間で走行パターンを学習します。また、用品オプション設定の車載タイプのドライブレコーダー、ふそうエコフリートに「MDAS-V」の警報履歴を記録することが出来、安全運行の管理に役立てることも可能です。


2.販売目標台数
  大型トラック 「新型スーパーグレート」シリーズ  8,500台/年


3.東京地区販売価格 (消費税含む) (単位千円)
主な車型 エンジン 車両総重量 主な仕様(キャブ付シャシ) 価格
BDG-FU54JUZ2 6M70(T2)
257kW(350ps)
25トン リヤエアサス 15,057
BDG-FS55JVZ3V 6M70(T3)
279kW(380ps)
25トン 総輪エアサスINOMAT-II 16,753


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