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| 四季折々の美しさと、絢爛たる加賀百万石の歴史をいまも残す古都金沢は、いつ、何度きても飽くことのない魅力にあふれている。その城下町を中心に、能登地区、加賀地区までバス路線を網羅する北陸鉄道株式会社(本社・石川県金沢市割出町)は、石川県下で最大の規模と歴史を誇る。歴史と伝統は、しばしば疲弊と甘えの構造を生み出すのであるが、北陸鉄道はまるで違う。新時代の大変化を読んで、次々と新しい路線を打ち出している。その着眼点と発想はどのようにして生まれてきたのか。
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金沢市を中心とした北陸鉄道の鉄道・浅野川線と石川線の営業開始は、大正時代までさかのぼる。バスの営業開始は昭和18年という大老舗。しかし企業コンセプトと、それにともなう戦略は斬新だ。新時代の変革とニーズを読み、つねに先手を打ってきた。 過疎化する地域の路線バスはいち早く分社化し、地元住民の雇用も含めて「おらが町のバス会社」のコミニティバスとして再生させた。これは、少ない乗客でも維持できる路線バスとしての役割ばかりか、町村の過疎化の歯止めにも寄与した。そういう意味では、石川県の過疎地域はバス路線が充実しているという。 「いま郊外にはどんどん大型店舗ができています。公共施設もできる。学校も病院もでき、都市の空洞化がいわれています。これは全国共通で、金沢地区も例外ではありません。従来の都心を終点としたバスのネットワーク路線が崩れてきている。つまり生活形態が完全に変わっているのです。 ですから、2つの路線をドッキングさせて、都心を通過地とした路線が日常的になっています。たとえば学校群が郊外にあれば、朝だけ都心を経由せず、ダイレクトに目的地に直行便を走らせる。これで時間も料金も節約できます。うちでは、モーニングダイレクト便といっていますが評判がいいですよ」 定期券も学生の学期に合わせたターム(学期)定期を10年も前から採用している。すべてが、乗客のニーズに合わせた企画なのだ。 だから路線バスは、従来のように幹線だけを走らせて乗客を乗せていればいい時代は終わったのだという。道が狭かったり、利用者が少なければ支線に小型バスを走らせ、一人でも二人でも乗せて小さな塊をつくり、大きな塊にすればいいという。大河も雨の一滴から始まるという発想なのだ。 まずバス路線を残す。その上でどう発展させるか。「そこからが勝負」だと水野社長はいう。従来の路線にこだわらず、時代のニーズに合わせて脱皮する対応ができれば、おのずと展望は開けていくにちがいない。 |
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