FUSO最前線
ドラム缶輸送の常識を破った!発想の原点は素朴な疑問から。中型車でも大型車より大量輸送が実現した!東総物流システム株式会社

千葉県茂原市に本社を置く東総物流システム株式会社は、今年10周年を迎えた若い会社である。真高社長自身も若く、40歳代前半だ。柔軟な頭脳とフットワークの軽さ、 チームワークを活かして顧客にアタックしてきた。そして提案型営業を基に、混載チャーター便、ユニ混チャーター便など 数々の輸送商品の開発に積極的に取り組み、荷主が望むコストダウンや利便性、輸送品質の差別化に応えている。 そのひとつとして登場したのが、ドラム缶輸送車の開発だ。ドラム缶は現在、メーカー4社を中心に全国で 月産100万本もつくられているという。この輸送車によって、ドラム缶物流の流れが 大きく変わるのではないかと、各方面から期待されている。

見向きもされない荷物なら
それを運んでやる!

 「カサ物や長尺物など、他の輸送業者にきらわれる荷は、いったい誰が運んでいるのだろうと不思議に思った。もしいなければ輸送システムを考えて自分が運んでみようと思ったんです」これが真高社長の独立のキッカケとなった。
 この、真高社長の“なぜだろう”の発想の問いかけが東総物流システムの牽引となってきたのであり、後述するドラム缶輸送車の開発へと結びついたのである。
 独立当初から手がけてきた住宅資材の配送は、バブルがはじけるのにともなって減少する傾向にあった。売上を確保するため、新規顧客開拓に精力的に飛びまわった真高社長。そのなかにドラム缶輸送もふくまれていた。

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ドラム缶は輸送中に傷がつく
それを防ぐ方法はないか

 ドラム缶はその昔、平ボデーに横に倒して重ね、ロープをかけて運んでいたという。
 現在では、バンタイプの大型(もしくは中型)の専用車を使い、新しいドラム缶はひとつずつ袋がけされ、3段に積んで輸送されている。
 この荷積み方式を見たとき、真高社長は「袋がけをしないで運ぶ方法はないものか」と思ったという。得意先の担当者は「輸送中、ドラム缶が回転してしまい、傷をつけてしまうからだ」との返答。袋がけはドライバーの作業負担になるばかりでなく、袋自体が消耗品であるためコストアップになっているとも聞いた。
 だったらドラム缶を回転させないようにすればいい――と真高社長は思った。得意先からの強い要望もあり、それがドラム缶輸送車の開発につながっていった。
 だが、「缶と缶との摩擦を押えるにはゴムしかない、との結論に達したのは早かったのですが、その先が――」
 ゴムの種類はあまりにも多すぎた。それらをいちいち試してみるが、どれを使用しても缶は回転してしまう。あきらめかけたとき、数社のゴムメーカーよりオファーがあり、ついに特殊ゴムを発見した。
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ドライバーの嶋田さんは「200缶の一本の重さは25kg。高さは約90cmで、手積みです。200本積むのに1時間もかかりませんが、袋がけがなくなった分、そうですね、かなり作業時間が短くなりましたね」と喜ぶ。


 車の天井部はもとより側面にもこのゴムを取りつけ、缶と缶の間にも挿入して輸送にのぞんだ。しかし、缶種によってさらに難題が現われ失敗の連続であったが、得意先の協力もあり見事に成功した。
 このとき、開発に大きく貢献したのが大型仕様(6×4後2軸、超長尺)のファイターウイングタイプのボデーを備えた車両だ。これをベースにしたことによって、中型車にもかかわらず大型車よりも11本も多くドラム缶を積むことができ、合計200本以上(5t弱)の積載が可能となった。
 缶は、キャブの上にスペースをつくり収納できるようにした。キャブ上部に縦に積んでも、低床車ゆえに法定地上高3.8mは超えない。天井部が80cmリフトアップする(キャブをチルトできる高さ)ので、とくにキャブ上部への積み込み作業がやりやすくなっている。
 なおかつ、今回開発したリフトウイング車にDガードシステムを導入した。天井部がリフトすることによって缶を押さえ、かつDガードにて缶をロックする構造である。
 開発車によって輸送品質と積載効率のアップ、輸送コストのダウンが可能になった。この車両が増えれば、ドラム缶物流自体が大きく変化すると得意先は期待する。
 稼働を始めてまだ半年にも満たないドラム缶輸送車だが、社員にも期待されている。収益増強のため、帰り荷を積めるようにも開発されているからだ。帰り荷対策のために(その対策としてウイングタイプで、かつ重量も10t積載を確保している)開発されたトラックといっても過言ではない。
 同社では、お客さまとダイレクトに荷物の発注と受注、配達状況をリアルタイムに反映できるシステムとして、インターネットを利用している。
 「東総物流システムは次になにをやるのだろう、というお客さまから期待される会社になれば、社員もそれに応え夢もふくらむ。その夢をかなえていくことが前進だと思います」
 ドラム缶輸送だけではなく、ほかの得意先からも違った使い方の問い合わせもきているとのこと。真高社長の頭のなかには、すでに2号車ができあがっているという。



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東総物流システム株式会社
●本社/千葉県茂原市高師
●代表取締役/真高重季
●設立/平成3年
●従業員/56名
●保有車両/36台
真高重季社長    


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