街路樹や庭木など、剪定された樹木の処理に、全国の地方公共団体や廃棄物処理事業者は頭を悩ませているのが現状だ。
というのも、廃棄物処理法の改正により処理方法が規制され、野焼きが禁止されているからである。そこで登場したのが、剪定ゴミをその場でチップにしてしまう樹木粉砕収集車だ。
この車両がいま、大きな話題を呼んでいる。車両を開発したのは、福岡県小郡市に本社を構える有限会社共栄資源管理センター小郡。
「グリーンザウルス」と命名されたこの収集車は、朝のテレビニュースで紹介されるやいなや一躍脚光を浴び、全国からの行政視察団や資源回収業者たちの見学があとをたたないという。
FUSO最前線
怪獣「グリーンザウルス」の登場でゴミの焼却、埋め立ての時代は終わった有限会社共栄資源管理センター小郡
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剪定ゴミの輸送費、焼却施設の
処理費の概念が変わった


 「グリーンザウルス(緑を食べる恐竜の意味をこめて命名)」が、剪定樹木の収集処理を開始したのは平成11年4月から。いま、市が指定した公園、団地内など、約60カ所に設けられた集積ステーションを巡回している。
 樹木の枝を切り落とした剪定ゴミは、場所をとるばかりでなく通行の妨げにもなる。そのためトラックで集めてまわり、焼却施設に運んで処理するか、定置式の粉砕機で処理されてきた。だが、これは膨大な輸送費と焼却費がかかる。
 「焼却処理費は1tあたり約2万円。この費用は小郡市の市民税によって賄われていますが、現場処理ならそれを大幅に削減することができる。しかも焼却して灰にするのではなく、細かく砕いてチップにするので、さまざまなものにリサイクルできるというメリットがあります」
 「グリーンザウルス」の効果について、野社長はそう説明された。まさに一石二鳥なのである。
 「リサイクル推進都市」を宣言している小郡市は、全国でも早くから分別回収やリサイクルに積極的に取り組んできた自治体として知られている。
 平成6年からはスチール缶とアルミ缶の分別収集を実施し、現在は合計17種類の分別回収を行なっている。
 一般廃棄物処理を委託されている同社が、市から有機系廃棄物(生ゴミ)と剪定ゴミの処理・リサイクルについて相談を受けたのは平成9年のことだった。
 それを受けてさまざまな角度から検討を開始。その結果、初期投資の大きい有機系廃棄物のリサイクルよりも、剪定ゴミの処理・リサイクル方法を追求するほうが、有効活用できると判断した。
 剪定ゴミの処理は輸送費が大きなデメリットになる。
 粉砕機を車載すればそれも解決できる、ということで各地の展示会を見てまわり、ホームページで海外メーカーの製品をあたるなど、1年がかりで情報収集を行なった。しかし問題点も多く、結論として独自に開発することになったのである。

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真夏を迎えるころや、冬前になると街路樹の剪定が行なわれるが、見た目にもその量に驚かされる。それがその場で処理されるとしたら、こんなに素晴らしいことはない。 そんな車が「グリーンザウルス」だ。切り取られた枝葉がつぎつぎに押し込まれていく。その様子は、まさに緑を食べる恐竜に見える。そして、この緑の再生資源が未来の自然を創るのだ。


超低床キャンターガッツだけが
地上高90cmを難なくクリア

 粉砕機を載せる車両にも条件があった。剪定ゴミを粉砕機の投入口に押し込むには、作業能率はもちろん、オペレーターの作業負担を軽減するためにも作業員のベルトの位置(地上高90cm)にあることが望ましい。それには、低床型の車両が必要とされた。
 「車載型ですと当然粉砕機の位置も高くなります。ところが理想的な90cmの投入口をクリアできる車は超低床型のキャンターガッツただ1台だけでした。そこで、九州三菱ふそうと福岡市にあるボデーメーカー(有)熊谷製作所の協力を得て、私どもが考えた樹木粉砕収集車のプランを実現しました」
 粉砕収集車はこの第1号車に続き、さらに改良を加えた第2号車が昨年3月に導入された。
 樹木粉砕収集車のシステムは、剪定ゴミを車体後部の投入口から投入し、それをシュレッダーで破砕。さらにハンマーで叩いて5mm角ほどのチップにして、ダクトで貯留槽に送り込むというものだ。粉塵対策にサイクロンも搭載されている。
 車両の稼働は4月から7月までと、11月、12月の6カ月がピーク。このほかは事業系、一般家庭の剪定ゴミを処理している。
 ちなみに平成11年度(1台)の処理は、事業所の持ち込み分を除き、6カ月間で約170t。これは、見かけ容積にすると4tダンプにして550台分に匹敵するという。
 チップとなった剪定ゴミは、堆肥として市民に無償で配付されるほか、遊歩道などのクッション材や雑草抑止剤、低潅木類の根元に散布する保湿材に利用されるなど用途は広い。
 「とくに6、7月の剪定時期は、市内で出るゴミの総量(容積)の30%が剪定ゴミ。これをリサイクルすることで、前年度に比べてゴミを1割以上減らすことができるようになりました。ゴミを燃やしたり、埋め立てるといった時代はもう終焉したといってもいいでしょう。この樹木粉砕収集車が、全国の自治体や同業者に必ず活用されるものと確信しています」
 野社長のこの言葉を証明するように、共栄資源管理センター小郡の本社には引きもきらず、全国からの問い合わせの電話や見学者が毎日あるという。


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有限会社 共栄資源管理センター小郡
●本社/福岡県小郡市上岩田
●代表取締役社長/野千尋
●設立/平成2年
●従業員/35名
●保有車両/20台
千尋社長    


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