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CNG(圧縮天然ガス)を燃料とする全国初の大型「共同バス」が登場し、注目されている。このバスは、埼玉県川越市に本社を置く富士交通株式会社が所有する、三菱ふそう大型路線バス・エアロスター「ノンステップバス」。 富士見工業団地工業会の企業5社との契約により、昨年11月1日から運行を開始した。 「共同バス」による送迎は、個々の企業の経費削減になるほか、周辺地域の交通渋滞の緩和、環境改善にもなることから、送迎事業の新方式を示唆するものとなった。 このニュースは、全国のバス事業者にとって、新たな事業展開のヒントにもなるだろう。 |
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環境にやさしいCNG車の 提案で競合に勝った |
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企業数48社からなる富士見工業団地は、埼玉県川越市、坂戸市、鶴ヶ島市の3市にまたがる、わが国でも5指に入る大規模工業団地である。 最寄り駅の東武東上線「若葉駅」と団地間の距離は約2km。東上線を利用する各企業の従業員は、この間を送迎バスやタクシーを利用する。企業にとって、送迎バスの運行と保有、維持は、少なからぬ経費を必要とするものであった。 「諸経費削減を迫られるなか、この費用を合理化する方法はないか」 そう考えた富士見工業団地工業会では、共同バスによる送迎を発案。賛同した企業5社によって実施されることになり、運行を委託するバス会社の選定にかかった。いまから1年ほど前のことである。 選ばれたのは、川越市周辺では古くから“フジ”の愛称で親しまれてきた富士交通だった。 選ばれた要因を 「決め手になったのは、環境にやさしい、つまり低公害、低騒音のCNG車を、そして人にやさしいノンステップバスを提案した点だと思います。競合各社のなかで、CNG車を提案したのは当社だけでした。工業会のなかにはISO14000シリーズの認証取得企業も多く、当社の環境への配慮が買われたものと思います」 同社は以前から、大型路線バス1台、小型バス2台のCNG車を導入し、大型バスは同工業団地にある1企業の送迎用に、小型バスは近隣市町村の福祉バス用にあててきた。 そうした「エコロジー先進会社」としての実績、さらには、10年ほど前から、すでに工業団地の企業数社と契約を結び、送迎バスの運行を行なってきた経験も選考のポイントになったようだ。 運行開始を前に、5社はバスのダイヤを調整するため、それぞれの就業規則の見直しなどを行なった。富士交通はバス事業者の立場から、それに関するアドバイスを行なうなどして協力。 全国初の大型「共同バス」は、こうして運行開始の準備を整えたのだった。 「共同バス」の運行に際し、工業会は埼玉県から感謝状を贈られることになり、運行開始の前日、贈呈式が行なわれた。 環境に配慮してCNG車を導入したことが、土屋県知事の提唱する「青空再生計画」に賛同したもの、と評価されたためである。工業会と富士交通には、望外の喜びであった。 |
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渋滞緩和、環境改善、 経費削減…一石三鳥の貢献 |
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昨年の11月1日からスタートした「共同バス」は、朝5便、夕方から夜にかけて8便が運行され、時間帯によってA、B、C、Dの4コースを循環している。 ちなみに、始発は午前7時15分に「若葉駅」を発車。終発は、工業団地内の最後のバス停を午後8時3分に発車し、同8時9分に「若葉駅」へ着く。 7か所のバス停には緑色の恐竜「エコザウルス」の絵を表示した。 このバスは現在、5社を合わせた従業員などの約200名に利用されているが、工業会では今後、数年のうちに他企業の送迎も、すべて共同バス方式に切り替えたいと話す。周辺道路の朝夕の交通渋滞緩和にも貢献でき、“三方一両損”ならぬ“三方一両得”だからだ。 「バスは将来的には5台に増やす予定です。もちろん、すべてCNG車です。企業の経費削減は今後もますます強化されるでしょう。そうなると、送迎方法も共同バス方式に向かっていくのではないでしょうか」 富士交通は埼玉県全域を営業エリアに、小型を主力とした34台のバスを保有し、幅広い貸切バス事業を展開している。 CNG車の普及つまり環境改善のためにも、官民一体となったエコ・ステーションの建設促進が切望される。 |
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