血液さらさら健康法で糖尿病や高脂血症、高血圧、動脈硬化を予防しよう
心とカラダにおいしい食事学
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 いま、血液を「さらさら」にして、病気を予防しようというのが話題になっています。あなたの血液状態はどうでしょうか……。
 毎日、つきあい酒を飲んでいる、ストレスが解消できない、肩こりがひどい、冷え性で困っている、甘い物に目がない……こうした状態がつづいているあなたなら、じつはもう血液はドロドロ、ベタベタ、ザラザラ状態になっているのかもしれません。
 逆に、血液がさらさら状態であっても、貧血でうすければ、これは病気です。
 今月は健康的な血液さらさら状態を作る食生活について話をしましょう。

こんなライフスタイルの人は
血液はドロドロ状態を作っている

 睡眠時間が6時間以下である。就寝時間がいつも午前様、休日は疲れて寝ている。歩いたり、運動をする機会が少ない。たばこを1日10本以上吸う……、こういう生活スタイルの人は、血液ドロドロ状態をつくる原因になっています。
 生活のリズムが乱れていれば、食事も不規則になるはずですよね。こうした方たちは、いま健康状態に問題がなくても、臨床検査をしてみると、はっきりと血液の状態に表われてきています。
 子どもでも生活が乱れてくると、血液ドロドロ状態は起こります。まして中・高年者は代謝が悪くなっているのですから、血液がスムーズに流れなくなったり、血液中に脂肪が蓄積しやすくなって、ドロドロ状態になります。
 たばこは血中の酸素を減らし、一酸化炭素とニコチンによって動脈硬化を促進します。さらにアドレナリンというホルモンが分泌され、その結果、血液のベタベタ状態を引き起こします。

ストレスや過労は
タバコの吸いすぎと同じくらい有害

 ストレスがかかると、たばこを吸ったときと同じように、アドレナリンというホルモンが分泌されます。その結果、血液がドロドロ状態になりやすいのです。
 また、過度のストレスは、体内で活性酸素を作り出し、それが血液の流れを妨げたり、血液の細胞を酸化して傷をつけたりします。
 ですから、ストレスをなるべく軽いものに変えたり、解消することができれば、血液をさらさら状態にもどすことになるのです。また、血管の酸化を防ぐことも重要なポイントになります。

朝食を抜く、脂っこい物が好き、
お酒の飲みすぎは危険信号

 朝食を抜いていませんか。脂っこい料理や脂肪たっぷりの肉を食べていませんか。あるいは、青魚をあまり食べなかったり、野菜や海藻をあまり食べない人も危険信号ですよ。
 外食が多い人や、夕食が10時以降のことが多い人、お菓子やジュースをよく食べたり飲んだりする人、アルコールを飲みすぎることが多い人も要注意です。
 また、早食いの人は肥満や糖尿病、高脂血症(コレステロールや中性脂肪が高いこと)が起こりやすくなり、血液もドロドロ状態のはずです。
 改善すべき点は、すでにご承知だと思いますが、わかっているけどなかなか実行できない、などといいわけせず、いまからでもすぐ改善してください。命にかかわる問題なのですから。
 そのために、とても肝心なことは、血液をさらさらにするのに役立つ栄養素や、食品をしっかり食べる習慣をつけることなのです。次に、そのことを説明します。

イラスト
血液をさらさらにする食品や
栄養素をとる習慣をつけよう


●お茶は1日1リッターは飲もう
 緑茶にはカテキン、ウーロン茶にはウーロン茶ポリフェノールが含まれています。いずれにも含まれているポリフェノールは、細胞の酸化を防止します。
 そしてまた、血液をさらさらにすることに役立ちます。とくに食前、食後にたっぷり飲みましょう。1日1リッターくらいが目安です。

●青魚で血液さらさらに。干物はダメ
 サバ、イワシ、アジなどの青魚にたくさん含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、血液中の赤血球や血小板に作用して、血液が血管の中をスムーズに流れるように働きます。
 血圧やコレステロールのコントロールに役立つことはいうまでもありません。でも、干物では意味がありません。新鮮な生魚を食べてください。なぜかというと、干物は脂肪がすでに酸化してしまっているからです。

●大豆や納豆は更年期女性におすすめ
 大豆に含まれるイソフラボンは、分子構造が女性ホルモンと似ているので、更年期の女性におすすめといわれているものです。そして、実験データによると血液をさらさらにする働きもみられました。
 納豆にはイソフラボンも含まれていますが、特長は、発酵してできたナットウキナーゼとよばれる酵素です。これは血管につまる血栓を溶かす働きがあるのです。

●お酒を飲むときは海藻を忘れずに
 アルギン酸とは、海藻に含まれる、水に溶ける食物繊維のことです。昆布やワカメを水につけると、ヌルヌルしてきます。これがアルギン酸です。
 アルギン酸は、血糖値やコレステロールの上昇を抑えて、血液をさらさらにするのに役立ちます。1日20〜30gは食べてください。
 ワカメのみそ汁一杯は10g程度ですから、もずく、切り昆布の煮物などで、たっぷり食べるようにしてください。とくにアルコールを飲むときは忘れずに。

●お酒飲みにはキノコが有効
 キノコの色は白色ですね。茶色の部分もありますが、白色はフラボノイド。つまりポリフェノールが含まれており、酸化防止に働きます。また、コレステロールの上昇を抑える食物繊維を多く含んでいます。
 シイタケに含まれるアミノ酸の一種であるエリタデニンにも、コレステロール低下作用があります。キノコ類も、アルコールを飲むときには忘れずに、の一品ですよ。

●緑黄色野菜をたっぷり食べよう
 野菜にはビタミンA、Cがたくさんふくまれています。また、ポリフェノールがたくさん含まれるので、酸化防止には効果的な食品です。とくに赤、緑、オレンジ、黄、紫の色の濃い野菜と、白色の野菜にはポリフェノールが多いことを覚えていたでしょうか?
 ネギや玉ネギ、ニラ、ニンニクなどのツンとくる匂いの成分は、硫化アリルです。このツンとくる匂いの成分は、血栓ができるのを予防する働きがあります。
 1日に緑黄色野菜は120g、淡色野菜は230gとることが望ましいのです。とにかく、できるだけたくさん食べてください。

●酢は疲労回復と血液さらさらの切り札
 酢に含まれるクエン酸は、老廃物を排出して疲労を回復する作用があります。さらに、赤血球の膜をしなやかにして、血液の流れをスムーズにしてくれますから、血液もさらさら状態になります。健康の切り札です。即効性があることも証明されています。
 酢っぱい味が苦手の人は、だし汁や水で割ったりして食べてください。とくに黒酢は効果がありますよ。


写真
●もりの・まゆみ
長崎県佐世保市生まれ。女子栄養大学卒業後、同大学栄養クリニックで20年間、成人病などの食餌療法の指導に当たるほか、講師を勤めた。92年退職後、栄養健康に関する会社「(株)バイワネル」を設立。現在は企業、スポーツクラブ、新聞、雑誌、TV、講演などで幅広く栄養指導している。主な著書に『決定版やせる食べ方』『おいしく食べる高血圧症の食事』『胃腸病の食事』など多数ある。女子栄養大学講師、杉野女子短大などの非常勤講師。




毎日が健康 食卓の知恵

鍋物にはカボス、スダチ、レモンを添えて。
みそ風味仕立てで血液さらさらメニューを!

 本文で説明しましたように、クエン酸をとると、血液をさらさら状態にしてくれます。これから鍋の季節には、クエン酸がたくさん含まれているカボス、スダチ、柚子、レモンを大いに使ってください。
 また、刺身や焼き魚、マリネ、妙め物、焼きそばなどにも、さっと絞り汁をかけると、さわやかな香り、マイルドな味に変わります。塩分がうすくても物たりなさを感じさせないほどですから、塩分をとりすぎの人にも有効ですよ。
 酢は小骨をやわらかくする作用がありますから、魚を油で揚げて南蛮漬けにしたり、焼いて酢と油、塩、胡椒につけたマリネもおすすめです。
 シシャモを焼いてつくるマリネは簡単にできます。たっぷりのスダチと玉ネギのスライス、妙めたシイタケを漬けこんだマリネは、いかにも血液さらさら効果が上がりそうでしょう。
 みそは大豆からつくられ、発酵によってイソフラボンが吸収のいいものに変わっています。ですから、血液さらさらメニューには絶好の調味料ですね。
 鮭やタラのみそ風味鍋や、イワシのつみれ団子けんちん汁、キノコと青魚のホイル焼き・みそ風味仕立て、などがおすすめです。これからの寒い季節は、鍋物に工夫をこらし、血液さらさら効果のあるメニューを意識して食べてください。

イラスト
イラストレーション・志賀 均



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