高松・徳島〜神戸・大阪を結ぶ高速バスルートで
	  四国と大阪は一つになった。年間200万人を輸送する
	  明石海峡大橋は大動脈!
ジェイアール四国バス株式会社

平成10年に完成した明石海峡大橋は、高速バス輸送にとってビッグチャンスとなった。というより「革命」といったほうが当たっている。香川県高松市に本社を構えるジェイアール(以下JR)四国バス株式会社は、徳島〜大阪間の高速バスを明石大橋の完成と同時に立ち上げた。初年度140万人、2年目160万人は、当初の年間推測利用客を、はるかに超えた。現在は200万人が利用する。日帰りを悠々可能にした明石海峡大橋は、四国を完全に関西商圏に組み入れてしまったのである。 AERO ROAD
スーパーシートには、左右にずれない枠つきのヘッドボードを採用。また、足先を、さらに7cm伸びるよう工夫して、リラックスできるようにしてある        


四国4県1000万人のうち約4割がバスを利用する
 昭和60年、鳴戸大橋、昭和63年、瀬戸大橋の開通に続き、平成10年、明石海峡大橋、そして、11年に瀬戸内しまなみ海道が完成。四国と本州が一つになったのである。
 JR四国バスは、高松・徳島から本州方面に、神戸、大阪、京都、広島、関西空港、名古屋、新宿、東京と、8路線の都市間高速バスを運行する。1日140本が走り、うち100本が大阪である。高松から大阪までは3時間、徳島から神戸は2時間、大阪は2時間半だ。
 15〜20分ヘッドで運行しているため、乗客は待たずに乗れる。朝出かければ、昼には京阪神に着き、夕方のバスに乗れば、日帰りできる。乗り換えもないし、しかも往復6000円である。
 乗客の60%が女性で、年配者が多い。「京阪神が身近になって」、買い物を楽しむ人が増えたのである。高松・徳島は、完全に関西商圏に入ったといえる。
 「明石海峡大橋は、四国と関西圏との大動脈になりました。そして、高速バスが高松・徳島と大阪を結ぶ四国の代表的な交通機関となりましたね。年間200万人の大量輸送を果たす高速バスは、ほかに例がないのでは…と思います」
 また松山、高知から大阪方面の高速バスは所要時間5時間かかるが、飛行機利用客80万人の3分の2の60万人をバスに変えさせる結果となった。
 その理由のほとんどが、時間がかかっても予算を抑えたい。しかも、乗車してしまえば、目的地まで1本で行けるドア・ツー・ドアが好評で、こちらも130%の伸びだという。
 「四国4県約900万人規模の公共交通機関利用者がある中で、約4割をバスが輸送している計算になります。そのかわり、飛行機、鉄道に負けないサービスを、めざしています」と十川社長は、にこやかに説明する。

JR四国・本社前を走るJR四国バス


乗り心地はバスで決まる三菱ふそうにこだわる理由
 JR四国バスは、JR四国の100%子会社で、全国のJRグループ8社の中で、最後の平成16年度に分社化されたが、バス事業における改革がもっとも進んでいる、といっていいだろう。
 まずは、風雨がしのげればいいというバス停留所から、より快適なバスターミナルへと発想を転換した。 高松バスターミナルでは、待ち合わせのスペースを重視した空調の完備。そして、ファッショナブルであると同時に、ゆっくりとくつろげる空間を演出した。空港の待合室のイメージである。
 名古屋、東京、新宿の夜行3方面のダブルデッカー38人乗りには、スーパーシートを採用。十川社長自ら奥様と乗車して、乗り心地を検分した。
 「女性は寝ているとき、隣の人に顔を見られるのは嫌だし、ましてや、頭がヘッドボードからズレ落ちる姿は見られたくない」という奥様の指摘で、左右にズレない枠つきのヘッドボードを採用。さらに現状より足先を7cm伸びるように工夫して、リラックスできるようにした。
 これは、航空機のビジネスクラスの座席にヒントを得ている。 スーパーシートは、新会社発足の第1号車から採用している。三菱ふそうダブルデッカーは、この2年間で2台から7台に増車した。
 
 十川社長が、三菱ふそうバスにこだわる理由があった。昭和39年、日本最初の高速道路・名神が開通したとき、第1号となった「名神高速バス」を運行したのが、当時の国鉄バスだった。
 この遠距離高速走行に耐えられるバスの開発に最後まで協力し、苦労を共にしてくれたのが三菱だったと、国鉄の諸先輩から聞いていた。
 技術畑出身の十川社長は、当時、国鉄本社の工作局に在籍していて、三菱の高性能エンジンは、評価を得ていたことを知っていた。「丈夫で長持ち」を実感している。
 「乗務員たちからも、高速で走ると、どっしりした安定感があり、運転しやすい。それが安全運転にもつながっているという報告を聞いています」と、最後まで、心強い証言であった。

JR四国バスは、年次点検はメーカーに、月次点検は自社の整備課で行っていたが、新会社の営業開始からFUSOの一元管理にした。JRグループでは初めてのことだった。これは安全管理を丸投げするのではなく、JR四国バスとFUSOが、同等の責任をもって管理するという意味だという。リコール問題が起こったとき、十川社長は真っ先に工場へ行き、何度も各担当者から話を聞いてチェックした。自分の目で見て、判断することができるからだ。国鉄時代の工作局機械課勤務、大井工場車両課長の経験が生きたという。

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十川道信社長
ジェイアール四国バス株式会社
●本社/香川県高松市浜ノ町
●代表取締役社長/十川道信
●設立/平成15年
●社員数/260名
●保有車両/94台(乗合80台、貸切14台)


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