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| 有限会社 湯山商店 |
| 標高950m、富士山北麓に広がる山梨県忍野村は、忍野八海の湧水池で知られる。そして、いまなお 茅葺き屋根の農家が点在する、日本の原風景が残るエリアだ。その忍野村で80年余にわたり、 村民の生活に密着した、酒類や燃料を商ってきたのが有限会社 湯山商店である。 ガソリンスタンドを経営するかたわら、注文に応じて宅配するのがキャンターのタンクローリーだった。 しかも昭和52年製造のT216Cから60年製造のFE315BNが、まだ現役で走っているではないか。 新型キャンターも2台あった。さながら富士山をバックにしたキャンターのミニ歴史博物館だ。 |
| 車好きが発想した 多角経営を展開する 湯川商店の法人登録こそ平成16年であるが、個人商店としての歴史は大正時代末にまでさかのぼる。 「いまもリカーショップ東屋として、酒類販売を続けていますが、湯山商店は、もともとは父親が酒屋からスタートしました。昭和の初めごろ、村に貸切バスやタクシー会社を興した人がいたので、燃料(ガソリンや灯油)を扱うようになったと聞いています」 湯山社長は、懐かしそうに昔を振り返る。湯山商店は、大正、昭和、平成と、80有余年にわたって地元密着の商売を続けてきたのである。昭和9年生まれの社長は、子ども時代の思い出として、いまも「当時の重い亜鉛製200 その後、ガソリン販売は経済統制を受け、太平洋戦争をはさんでの数年間休業した。戦後は昭和26年から、ガソリンスタンドと灯油の営業を再開している。 父親が車好きだったので、湯山社長もその影響を受けた。「16歳で普通免許をとってから大型、牽引車、2種と、陸を走るものの免許は全部とりました」と語る。 交通安全協会会長を務め、もちろん、これまで無事故、無違反である。乗用車はベンツ600を2台、230スポーツカー1台、国産車2台。そして、大型のブルドーザーと、除雪車までそろえる。 ダンプも買った。三菱ふそうが販売した新型の8tと11tは、山梨県下で第1号車を買った。11tダンプはまとめて3台購入し、砂利の運搬を始めた。 「片道75kmの白州から生コン会社まで1日3往復して砂利を運んだ」のが最盛期だったという。昭和40年ごろだった。 砂利の運搬は他社の参入もあって、昭和50年に撤退。入れ替わるように開始したのが、バスのレンタル業(日本観光レンタカー(株))だ。そこで出会ったのが三菱ふそう車だった。 「砂利運搬で他社のトラックも使っていたから、積極的に三菱トラックを選んだわけではなかったんですよ。でも、バスは選んで三菱ふそうにしました。なにしろクッションがいいし、エンジンに力があるのに音が静かだった……」 これがきっかけで、山梨三菱ふそう自動車販売(株)担当者との強力な人間関係が構築された。それ以降は、三菱ふそう一辺倒になった。 昭和60年に、念願の貸切バスの営業免許をとり、貸切観光バス業(東富士観光自動車(株))を開始した。現在は13両のバスを保有し、学校関係や幼稚園の送迎、そして、数キロしか離れていない隣りの静岡県にある須走に営業所を開設し、観光バスを走らせている。 手がけた仕事は、すべて車に関連したものばかりだった。車好きが高じて、車を使う事業を始め、自分で乗りたいから、どの車も運転した。興した事業は、すべてが車好きからの発想だった。 |
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寒風が吹き抜ける中で、黙々と作業を続ける湯山直樹専務 | ||||
| 80年の歴史と信用の足回りを まかせられた新型キャンター バスを三菱ふそうにしたことがきっかけとなって、一昨年、昨年に続けて、新型キャンターのタンクローリー車を1台ずつ購入した。 初めて納車にきた三菱ふそうの販売会社担当者が、車庫をのぞいて、目を丸くした。 そこには、クラシックカーとよんでも過言ではない、キャンターT216C(昭和52年製造)とFE315BN(同60年製造)のタンクローリーがあるではないか。しかも現役だ。 湯山社長は、別に珍しいものではないので、あえていう必要もないと思っていた。T216Cは宮城県塩釜市の漁港から中古車を買ってきた。 「小型タンクローリーの中古車は、なかなか出ないから、わざわざ塩釜まで引き取りに行きましたよ。 でも海水で腐敗がひどくて、エンジンも部品も全交換。手間と費用がかかった中古でした。それだけに愛着があって、まだ現役で使っているんです。キャンターは丈夫で長持ちする、いい車です。 新型キャンターを買いましたけど、古い車が使えるうちは、それを使い続けます。だから車庫で眠っていますよ」と湯山社長が笑いとばす。 その横で、ご子息の直樹専務は、「灯油の宅配が多忙なのは冬季です。しかも雪が降って道路が凍結すると、坂道のきついところは運転が怖いんですよ。その点、新車は4WDなので、大活躍間違いなしと期待しています。 新型キャンターは操作性といい、居住性といい、すべてがよくなりました。車内の快適さは、仕事の効率につながります。これからの仕事が楽しくなりました。タンクの上に乗ったり降りたりすることが多いので、低床車が絶対条件でした」 まだ試乗の段階だが、新型キャンターに、大きな期待を寄せていた。 |
![]() 湯山喜六社長 |
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忍野村は、富士山麓の自然、景観の素晴らしさに加えて、中央自動車道、東名高速道、東富士五湖道路によるアクセスもよく、最近は別荘地としても注目されている。さまざまな企業の施設も増えている。灯油宅配は、夏は炊事とお風呂だけの需要であるが、冬は暖房に不可欠なだけに、凍結した雪道や坂道に強い新型キャンターの4輪駆動に大きな期待が寄せられていた。 |
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