ウルル、カタ・ジュタ国立公園(オーストラリア)
文・写真
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オーストラリアの平坦な砂漠に出現する“地球のへそ”は、世界最大級の巨岩、奇岩 
日本の真南、ちょうど四季が反対となる南半球のオーストラリア。 大陸の内陸部は乾燥地帯が続き、牧場で飼う羊や牛の群れ、野生の カンガルー、野犬のディンゴが時おり目立つ程度で、人影はほとんど 見かけることもない。大陸のほぼ中心部にある、ウルル、カタ・ジュタ 国立公園は、1325平方キロメートルの面積をもち、荒野に悠然と 巨大な岩山のウルルとカタ・ジュタが現われる、超現実的で 誰もが地球の謎を感じる場所である。1987/1994年、世界遺産登録。
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ウルル(エアーズ・ロック)。 夕日を受けて燃えるように赤く染まる姿から「オーストラリアの赤い心臓」ともよばれる(写真・宮崎洋一郎)


乾燥気候の比率が高い特異な生物相を持つ大陸

 国土面積769万平方キロメートル。オーストラリアは南半球にあり、日本の約20倍、アラスカを除くアメリカ合衆国とほぼ同じ大きさを持つ、世界でも6番目の広大な国だ。5つの大陸のうち最小であるオーストラリア大陸と、タスマニア島など、周辺の島々で領土を形成している。
 人口は約1971万人。日本の15%程度だ。この大陸の気候は、じつに6割近くが低平な砂漠、ステップという乾燥気候であり、内陸部には大きな河川、湖はほとんど見当たらず、大半は人が住むには過酷な条件にある。
 2大都市である人口400万人のシドニーと、人口340万人のメルボルンは、ともに温暖な気候の東南部沿岸にある。このほか、百万都市にはブリスベン、パース、アデレートがあり、西南部沿岸のパースを除いて、東南部沿岸にある。これら5大都市とその周辺部に、国の人口が極端に集中している。大陸の北部は熱帯気候となる。
 動物では、大陸に現存する約240種類の哺乳類のうち、約半分が有袋類だ。草食で地上に生息するカンガルー、樹上に生息するコアラ、クスクス、肉食のフクロネコなど、バラエティーに富んでいる。卵を産む原始的な哺乳類である、単孔類のカモノハシやハリモグラは珍しい動物である。
 植物も、たとえば、個体数では9割を占めるとされるユーカリだけで約500種、アカシアも約600種あり、他の大陸に見られない特異性を持つ。
 オーストラリア原住民のアボリジニーは、褐色の肌を持つオーストラロイド人種に属し、ディンゴとよばれる犬を飼い、文字を持たず、石器時代と同様の狩猟採集の生活を営んできた。現在は20万人ほどが残るにすぎない。
 17世紀にはオランダ人タスマンら、ヨーロッパからの来航者が局地的に上陸したが、不毛の地と目され、入植は進まなかった。
 1788年に、シドニーに軍人、流刑者などの約1000人が上陸して、東経135度以東にイギリス領流刑植民地が発足。19世紀には羊毛産業が勃興。1827年には大陸全土がイギリス領と宣言された。
 1927年に、首都が、メルボルンから、計画都市キャンベラに移された。イギリスの植民地経営難もあり、42年にはイギリス連邦下で独立。戦後はアジアとの関係重視を強め、現在、日本との貿易に占める割合は約15%で、最大の貿易パートナーとなっている。
 なお、オーストラリアの国名はラテン語に由来し、南方の大陸を意味する。

カタ・ジュタ(オルガ山)。自然が創りだした不思議な景観は、見る角度でさまざまに変化する(写真・牛島敏行)


赤く神秘的に照らされたアボリジニー聖地の巨岩

 ウルル、カタ・ジュタ国立公園は、オーストラリア観光のハイライトだ。ウルル、通称“エアーズロック”と、カタ・ジュタ、通称“オルガ山”という、2つの巨大な岩を中心とする、大陸の中部、砂漠のど真ん中にある景勝地だ。
 ウルルとカタ・ジュタは、ともに約6億年前、カンブリア紀初めの海底造山運動によって陸地となり、長年の風雨や河川による侵食に耐えた、強固な砂岩の塊が残されたものだ。成分は石英、長石が多く、岩肌の赤い色は、岩に含まれた鉄分が酸化した、酸化鉄によるものである。
 ウルルは周囲約9キロメートル、高さ約340メートルと、西オーストラリア内陸部にある、マウントオーガスタに次ぐ、世界で2番目に大きな一枚岩。アボリジニーの言葉で、ウルルとは、「日陰の場所」を表わしている。
 ドーム状の形だが、太陽光線の当たり方で、1日に岩肌の色が赤みがかったグレーから紫色を帯びた赤にまで変化する。岩肌にはいくつのも溝が刻まれ、洞窟が無数にできており、威厳のある神秘的な雰囲気を漂わせている。
 ウルルの西30キロメートルの地点にあるカタ・ジュタもまた、36個の丸屋根になった奇岩が寄り添うように並ぶ、地球の不思議を体感する場所だ。最高峰は546メートルの高さがある。
 カタ・ジュタのほうが、ウルルよりも侵食が進んでいるのだが、ウルルが地殻変動によって地盤によじれが起こり、早く結晶したのに対して、カタ・ジュタは、その形跡がないことなどが特徴とされる。アボリジニーの言葉で、カタ・ジュタとは「たくさんの頭」を指す。
 ウルル、カタ・ジュタは、アボリジニーにとって聖地で、とくにウルルは、アボリジニーの精神、信仰の中心地だ。
 この地に住むアナング族は、天地創造が起こった「夢の時代」の生き物たちが、これらの巨岩に、いまも休息していると信じている。
 たとえば、川を創造した“虹の蛇”は、ウルルのムティジュルという、水たまりのある洞窟に住むとされる。このような信仰の場は、抽象的な岩面画で装飾されている。

 

オーストラリア・ミニガイド
オーストラリアは日本の真南、南半球にあり、オーストラリア大陸を主たる国土とし、6つの州、北部準州、首都特別地域などからなる。 面積769万2024平方キロメートルは、日本の約20倍。人口約1971万人。首都はキャンベラ。1942年、イギリス自治領より独立。 ウルル、カタ・ジュタ国立公園の玄関口、アリス・スプリングスへは、シドニーから空路2時間40分。エアーズ・ロックへは、 そこで乗り換えて空路40分、観光は、市内のホテルでツアーに申し込める。
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