![]() |
||||
ヒゲおじさんを若者が追いかけるカラーリングのアイデアは社長。ほほえましく楽しいと好評だ。そして地域密着型のサービスに欠かせないのがローザ。観光バスまでのドア・ツー・ドアも可能な送迎サービスは、地域の高齢者などに大変喜ばれている。
| ||||
![]() |
||||
| 和歌山県伊都郡かつらぎ町に本社のある有限会社日の丸レンタカーは、第二の創業期に突入している。26歳の若きリーダー大家社長は、新しい顧客ニーズに応えるために、つぎつぎと斬新でユニークなサービスを展開中だ。柔軟な頭脳が生み出すこのアイデアが、従来の顧客層の満足度をはるかに超えるものとして、注目されている。地域に密着したキメ細かい経営努力も怠らない。 | ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||
| 「そこのオニイサン、荷物運ぶの、ちょっと手伝ってよ」 日の丸観光バスの大家社長は、よくこんなふうに声をかけられた。社長になって間もなくのころの話だ。作業の手伝いまでさせられたこともある。 「すまんけど、そこのペンチとカッターとってくれないか。ところで、日の丸観光の社長って若いんだってなあ。きょうは、いないのかい」「おりますよ。私が社長の大家です」 そこで、お決まりの絶句と平謝りの光景となる。 大家社長は、現在26歳。創業者の父親が急逝し、あとを継いで4年になる。大学卒業を1か月後に控え、やむなく進路変更した結果である。 「母は父の仕事を一番まぢかで見ていただけに、私が社長になることには猛反対でした。でも私は、父の仕事に関心がなかったせいか、親族会議の決定を、気軽に引き受けてしまったというのが本当のところですね」と苦笑いする大家社長だ。 だが、内心は期するところがあったはずだ。その後の大家社長の行動が、それを示している。 朝は誰よりも早く出社し、車内にゴミが落ちていないか、拭き残した汚れがないかをチェック。あれば自分で掃除した。そして、ドライバーが出社するころにはエンジンをかけておく。退社時刻も遅く、事務所の消灯も社長の仕事だった。これを、3年間も続けたのだ。 「肩書きは社長でも、仕事は新入社員」と考えていたからだ。 大家社長のこの姿勢が、不安と冷ややかな眼で見ていた社員に厚い信頼感を抱かせるようになる。もちろん、その間においても、新入社員の仕事ばかりしていたわけではない。 「代表取締役社長」ではなく、ただ「営業」と記された名刺を持って、エージェント回りや業界、地域の集まりに積極的に通い、ニーズの変化や顧客の新規開拓に汗を流した。 その結果が、「大手さんをはじめとして、どこも経営は厳しい。それだけに、やり方によっては、チャンスも大きい」という確信だった。
|
||||||||||||
![]() |
| 「バスは移動手段としてだけではなく、お客様に満足していただきたい、と考えています。ですから、弊社のバスをご利用して不満足ならば、料金はいただかないといった心意気でやっています」 満足してもらうために、中型バスでは、めずらしい中トイレを設置した。また、乗客に喜ばれている淹れたてレギュラーコーヒーのサービスも、その一環だ。 「そんなサービスはできない。今までと同じでいいじゃないか、というドライバーもいました。それで辞めていった人もいます」 だが、実際にサービスをはじめてみると、好評だった。リピーターが増え、口コミで新規の顧客も増えだした。これらのサービスは、ドライバーの協力なしではできないことだ。 乗客の反応をダイレクトに感じとるのはドライバーであり、それが次第に、社員への説得力を後押しした。 「業界のことを、あまりよく知らなかったから、できたのかもしれません」という大家社長。 観光バスの既成概念を打ち破ったサービスは、ほかにもある。 日の丸観光バスの本社がある、かつらぎ町一帯は、霊場・高野山を背に、紀ノ川に挟まれた山あいの地だ。地域によっては、大型や中型バスも入れない所もある。 そのようなときは、ローザで、集合地点まで乗客を無料で送迎するサービスを行なっている。これもまた、利用客にたいへん喜ばれている。「地域密着」を第一に掲げる会社だからこそのアイデアといえるだろう。 「商売にならないから、やめたほうがいい、といわれたこの地域で、初めてレンタカー会社をつくったのが父でした。そういった決断力を大切にしていきたい」 そして最後に、社名にある「日の丸」は、今後、どれほど会社が大きく成長しても、変えることはないといい切った。 | |
|
|