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写真 キャンター エコ ハイブリッドをベースに砂苔の吸着力でCO2を吸い取るエコカーを開発 ●―株式会社V&Aキャリーシステム
 砂苔の持つ吸着力を応用して、大気中の二酸化炭素()を吸い取る、画期的なエコカーが誕生した。
 キャンター エコ ハイブリッドをベースにしたこの車両は、兵庫県加古川市に本社を置く(株)V&Aキャリーシステムが、三菱ふそうトラック・バス(株)近畿ふそう加古川支店、ならびに(株)パブコの協力を得て製作。
 車体デザインを、神戸芸術工科大学デザイン学部の学生に依頼した。
 苔の吸着力に着目したものは過去にはなく、日本ではただ1台の、新開発のエコカーといえる。
 V&Aキャリーシステムの竹中健社長が、車体に苔を利用した緑化パネルを貼ったエコカーの開発を思いついたのは1年前のこと。
 兵庫県のNPО法人・グリーンアライアンスの開発による、苔を壁面に張り巡らせたエコ住宅を目にしたのがきっかけだった。
 苔は1平方メートル当たり、年間約1kgの二酸化炭素を吸着する能力を持つ。
 「これを車両のボデーに張って走らせれば、たとえ二酸化炭素の吸着量は微々たるものであっても、ビジュアル的にはインパクトがあり、環境保全に対する意識高揚が大いに期待できるのでは」と考えたという。
 ちなみに、ボデーの両サイドに張られた緑化パネルは全部で36枚、二酸化炭素の吸着量は年間7.3kgだ。
 前例を見ないエコカーとなれば、「自社のPRにもなるし、なおかつ、エコに対する社会の関心、興味も高まる。
 車体のデザインを、コンペというかたちで大学に依頼したのも、社会人となる若者たちに、環境に対する意識、認識を高めてもらいたいと思ったから」とも竹中社長は話す。
 依頼を受けた神戸芸術工科大学では、デザイン学部プロダクトデザイン学科、ビジュアルデザイン学科の学生あわせて14名がコンペに参加。スケッチ、図面など、全部で34作品を提出した。
 「トラックの車体というキャンバスに、自分の考えたイメージを自在に描くことができて愉しかった」
 「トラックは一瞬にして走り去ってしまう。その短い時間に環境に関するメッセージを、いかに効果的に伝えることができるか、その点にアイデアを絞った」など、学生たちは思い思いに自分の作品を振り返る。
 応募作品の審査は、学部教授、竹中社長、近畿ふそう・福永社長補佐他によって行なわれた。
 その結果、プロダクトデザイン学科2年生の住本大起さんの作品が栄えあるグランプリを獲得。同学科の上田俊輔さん、三浦桃子さん、ビジュアルデザイン学科の塩田沙季さんの作品が準グランプリを受賞した。
 エコカーは、表彰式後、輸送のほかにイベント用としても幅広く役立てられることになっている。この車両のビジュアル効果に、大いに期待したい。

写真左から三浦さん、住本さんのアシスタントを務めた大西さん、住本さん、塩田さん、上田さん
住本大起さんデザインのキャンター エコ ハイブリッド。グランプリ、準グランプリの表彰式当日は、地元テレビ局、新聞社、雑誌社などが訪れ、展示車を取り巻くようにして取材・インタビューする姿が見られた。
     

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