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電子マネーの時代。上手に使えば便利でお得

電子マネー市場が急拡大している。
JRや私鉄、地下鉄、バス、スーパーやコンビニ各社の参入で、
電子マネー用カードの発行枚数は6655万枚(主要各社、7月1日合計)で、前年の倍になった。
駅の改札でカードをピっとかざすだけで、切符を買わずに電車に乗れるのだから、
使ってみればたしかに便利だ。小銭も用意しなくてすむ。
さらに電子マネーの多くには「ポイント」などの特典がつく。
日々の利用を積み重ね、うまくまとめて貯めれば、お得に使うこともできる。
ただし、電子マネー特有の注意点もある。
今回は電子マネーの基本と使うコツをまとめておこう。




電子マネーって何? サービスや特典が楽しみ 鉄道と流通が火付け役になった

 身近な電子マネーといえば、JRの改札でかざすカード「スイカ(JR東日本)」「イコカ(JR西日本)」をはじめとする鉄道系の電子マネーです。
 関東ではスイカが地下鉄や私鉄の「パスモ」と相互乗り入れしたため、スイカかパスモのカードを1枚持っていれば、JR、地下鉄、私鉄に加えバスまで、小銭を持たずに乗ることができるようになりました。
 もう1つ急拡大しているのは、コンビニやスーパーが発行する流通系の電子マネーのカードです。今年4月には、セブン-イレブンを運営するセブン&アイが「ナナコ」を、イオンが「ワオン」を発行しました。
 鉄道系、流通系が参入する前から、コンビニなどでは「エディ」(ソニー系の電子マネー会社ビットワレットが運営)が普及していました。
 電子マネーは大きく分けて、老舗の「エディ」、鉄道系、流通系の3つがある、と覚えておきましょう。
 電子マネーには、前払い方式と後払い方式があります。前払い方式では、先に自分で入金額を決め、現金か、登録しておいたクレジットカード決済で、カードに入金をしておきます。
 後払い方式は、銀行口座を登録しておき、使った分だけを引き落とします。
 各社とも、利用額に応じた「ポイント」を付与しています。利用額100円〜200円あたり1ポイントが一般的で、ポイントが貯まれば電子マネーに換金したり、商品券などの景品をもらうことができます。




参入相次ぎ、利用者も急増「小銭不要」の時代がやってきた
 電子マネーは06年度には1800億円程度の規模でしたが、07年度には7000億円市場に、08年度には1兆円を超えると見込まれています。
 クレジットカードが年35兆円市場なので、それでもまだ小さいのですが、野村総研では、推定40〜60兆円の少額決済市場の1割が、現金から電子マネーに置き換わると予想しています。
 電子マネー各社の入金額上限は、2万円(スイカ、ワオンなど)から5万円(エディ)。利用上限が数十万円のクレジットカードとは違い、こまごまとした出費の手間を省くことが、消費者にとってメリットとなるシステムなのです。
 少額決済の電子マネー化の兆しは、すでに現れています。日銀によると、100円など硬貨の流通量はすでに減り始めています。セブン-イレブンでは、今年6月の電子マネーでの決済は、買い物件数の1割に上りました。
 「スイカ」など鉄道系も、鉄道乗車のみならず、加盟店での買い物にも使えます。たとえば、紀伊國屋書店で本を買うのに、スイカで購入することができます。
 電子マネーが拡大した背景には、IT(情報技術)の発展があります。主要な電子マネーはみな、非接触IC技術「フェリカ」という技術を使っています。
 携帯電話にもその技術を搭載できるようになったため、携帯端末を電子マネーカードとして使う「おサイフケータイ」などのサービスも可能になりました。



利用する上での注意点は?分散せず、集中してポイント貯金
 便利な電子マネーですが、注意点があります。一度、入金したら原則として現金にもどすことはできません(スイカをはじめ、一部の鉄道系では、間違って入金した場合のみ、入金当日、その駅で申告するなどの条件を満たせば、返金できる制度を採用している会社もある)。
 また、利用者の声で多いのは、「入金から買い物まで、一度も現金に触れずに済ませるので、支払い時の痛みがなく、つい多く使ってしまう」というものです。
 入金上限額の設定はあっても、何度でも入金はできる上、スイカのように、残高が一定金額以下になれば、自動的に入金するサービスを提供しているものもあるので、さらに注意が必要です。
 また紛失した時にも問題があります。
 エディは、カードを紛失して事業会社に連絡しても、第三者による利用を止められません。スイカ、パスモ、ワオンは、記名式のタイプなら、事業会社が利用を強制停止できますが、無記名のタイプでは停止してもらえません。
 メリットは、やはりポイントの付与です。航空会社のマイレージや家電量販店、クレジットカードのポイントと連携しているので、利用する電子マネーと店舗を集中して使えば、効率的にポイントが貯められます。
 またクレジットカードで入金をすれば、クレジットカード側にポイントがつきます。
 たとえば、エディは全日空と、スイカは日本航空と提携しているので、これからカードを作るのならば、自分のよく使う航空会社のほうで、提携カード(「ANAカード」や「JALカードスイカ」)を作るといいでしょう。
 ネットで電子マネー各社のホームページを調べれば、どの会社と提携しているかわかるので、自分の生活スタイルに合ったカードを選び、集中して利用しましょう。
 電子マネーは主要規格だけで10社が乱立していて、初心者にはわかりにくいのが現状です。まずは、自分の使う鉄道系のカードかコンビニを軸に選ぶことから始めることです。



イラスト
illustration:唐仁原 教久



ニュースなことば●電子マネー関連用語
【コンビニチェーンが採用する電子マネー】セブン-イレブン=ナナコ。ローソン=エディ。ファミリーマート=エディ、スイカ、パスモ(一部地域)。サークルKサンクス=エディ。ミニストップ=エディ、スイカ、パスモ(一部地域)。am/pm=エディ。ポプラ=エディ。
【携帯電話と電子マネー】携帯電話に電子マネー機能を搭載した「おサイフケータイ」は、紛失や盗難時に使用停止できるので安心。スイカやエディなど複数の電子マネーを1つにまとめられるため、持ち歩くカード枚数も減らせる。利用前に入金しておく必要がなく、携帯電話の通信機能を利用して、クレジットカードや銀行口座から直接入金できる。
【法整備】現行の法律は、商品券を対象としてできた1989年の前払式証票規制法(プリカ法)が適用されており、オンライン利用による利用者保護の規制がない。金融庁は金融審議会で規制内容を固め、来年の法案成立を目指している。


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