1. 世界基準のフルモデルチェンジ、コンセプトは「GLOBAL FIT」
「新型キャンター/キャンターガッツ」の開発コンセプトは「GLOBAL
FIT」です。
キャブオーバートラックのキャンターシリーズは、過密な都市交通を背景に、積載効率を徹底追求したパッケージングにより、その高い積載性はもとより、優れた耐久・信頼性によって、日本市場を始め広く海外でも評価され、認知されてきました。
「新型キャンター/キャンターガッツ」はその評価をさらに高めるため、車室内空間の拡大と移動性(トラバース)、快適性、安全性などの向上および環境への配慮などで世界基準を追求しました。
2. ふそうファミリーアイデンティティー"ラウンドキュービック"キャブデザイン採用
デザインの基調はふそうファミリーアイデンティティーである"ラウンドキュービック"フォルムです。逆台形のグリル、前傾したサイドウィンド形状、フロントからサイドに走るキャラクターラインなどが、大型トラックスーパーグレート、中型トラックファイターと共にふそうのファミリーアイデンティティーを主張しています。今回小型トラック「新型キャンター/キャンターガッツ」のヘッドランプは、特徴ある新デザインを採用すると共に、夜間の視認性が高いディスチャージヘッドランプを採用(キャンター高出力車に標準、その他オプション)しました。
3. キャブオーバートラック世界初のインパネシフトを最適にレイアウトし、運転操作性を向上
操作性に優れたインパネシフトをキャブオーバートラックとして世界で初めて採用しました。シフトレバーの位置、ストローク、操作力、操作感などを最適設計した結果、ショートストローク化したにもかかわらず操作力は軽減(いずれも従来車比)され、軽快で剛性感を兼ね備えた、全く新しいシフト感覚が生まれました。また最適なレイアウトにより、ハンドルからの持ち替えが楽になるなど、運転操作性が向上しました。また、アームレストをクラスで初めて装備(DX,カスタム)、インパネシフトの運転操作性を一層向上させています。
4. クラス最大級の居住空間を確保、乗降性、トラバース性が大幅向上
キャブオーバートラックとして世界で初めて採用したインパネシフトは、その最適レイアウトによって、居住性のほか、トラバース性(*) が大幅に向上しました。
パーキングレバーを引き、ブレーキが効いた状態を保持したまま、レバーをシート面以下に格納できる可倒式パーキングレバーの採用もその効果をより高めています。
(*)
運転席と助手席の間での横方向への室内移動がし易くなりました。
5. クラス最大級の居住空間を確保し乗降性も大幅向上
フロントピラーの角度とサイドタンブルの絞込みを従来車より立ててデザインすることで、クラス最大級の室内空間を確保しました。特にワイドキャブ車はキャブ全長を前方に100mm拡大、ルーフ高さも20mmアップすることで、運転席、助手席ともに足元スペース、ヘッドクリアランスが増大しました。ステアリングのチルト&テレスコピック量、およびシートスライド量の増大により、最適なドライビングポジションが得られ、ペダル類の最適レイアウトと相まって、運転疲労が軽減されます。
またワイドキャブ車は、昇降ステップを前後に大型化したことにより、身体を曲げることなく直立に近い姿勢で乗降が出来るようになりました。
6. 運転席磁気サスシートの採用による運転疲労軽減
シート形状は運転席、助手席共にヘッドレストを一体化し、スライド量、リクライニング角度を共に増大、シート表皮はインテリアに広々感を与える2トーン柄を採用しました。
ワイドキャブ車カスタムには磁気サスシートをクラスで初めて採用しました。永久磁石のN極とS極の反発を利用し、磁気サスペンション特有の非線形ばね特性によりソフトな乗り心地となっています。(磁気によるペースメーカーなどへの悪影響はありません)
7. 車両衝突安全技術 "FUSO-RISE" の採用
コンピューター解析と実車試験での検証により、キャブオーバータイプの限られたスペースの中で十分な乗員空間と衝突エネルギーの吸収・緩和を追求した車両衝突安全技術
"FUSO-RISE"
を開発し、「新型キャンター/キャンターガッツ」に採用しました。
高剛性キャブを支えるフロアメインシルは、衝撃を効率良く吸収し合理的に変形することで足元スペースを確保します。また左右のドアは、サイドドアビームとの組み合わせで構成した井桁構造により、乗員保護機能を高めました。また、シャシフレームの前方部に閉断面構造を採用することにより、車体の衝突エネルギーを効果的に吸収・緩和します。
8. Power-ABS、総輪ディスクブレーキの採用
従来のABSに、ブレーキ踏力をパワーアシストする機能を追加したPower-ABS(キャンター高出力車に標準)は、急ブレーキが必要な際や、フル積載時、降坂時などの高い制動力が必要な際にブレーキ液圧をABSモーターポンプで加圧します。また前後の軸重に適した制動力配分を各輪独自に行える前後輪制御配分機能も備えています。
「新型キャンター」の高出力車と「新型キャンターガッツ」には、クラスで初めて総輪ディスクブレーキを採用し、その制動能力を一層高めました。
9. 前輪独立懸架式サスペンションの進化
従来から好評の独立懸架式サスペンションをさらに進化させました。そのシンプルな構造が乗り心地と操縦安定性のバランスを最適化、採用車種を大幅に拡大しました。
1. 平成12・13年騒音規制適合
エンジン、トランスミッション回りに遮音カバーを追加、また一部マフラーの低騒音化を行い、「平成12・13年騒音規制」に適合しました。
2. 低公害エンジンのラインナップ
七都県市低公害車指定制度、LEV-6指定制度に適合する機種を設定しました。(酸化触媒付)
また今後強化される東京都環境確保条例にも適合しています。さらに、CNG車、LPG車も近日発売予定です。
3. リサイクル可能率90%以上を達成(当社独自基準)
「新型キャンター/キャンターガッツ」は、従来から採用しているアルミ製ラジエータ、エアコン冷媒R-134a(またはHFC−134a)はもとより、リサイクル材、環境負荷物質代替材の採用を拡大し、部品のリサイクル可能率90%以上(当社独自基準)を達成しました。