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三菱ふそう

三菱ふそうの安全の考え方について

新安全技術を盛り込み安全のシンボルとして「Safety Truck」を開発
2008年6月16日

三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下:MFTBC)は、創業以来、より安全な交通社会の実現に向けて、様々な安全技術の開発を行ってきました。そうしたなかで、事故を起こした場合に被害が大きくなりやすいトラックとバスには、事故を未然に防ぐアクティブセーフティ(予防安全)技術こそが特に重要な分野であると考えています。特に、事故の芽は可能な限り早期に摘みとることが大切であると考え、「より早い段階でのアクティブセーフティ」を基本方針とした開発・実用化を進めてきました。

さらに、安全にはもうひとつの側面があります。大型車の場合、一度事故が起こると衝突時のエネルギーの大きさから加害性が大きくなり、被害者の方にご迷惑をかけるとともに、業務の遅れや修理、保険代など様々な費用が発生し、事業者にとっても大きな負担になります。安全なトラックは事業者にとっても利益を生む重要な役割を果たしていると考えています。

そこでこのたび、「三菱ふそうの安全技術のシンボル」として、大型トラック「新型スーパーグレート」をベースに、セーフティコンセプトモデル「Safety Truck/セーフティ トラック」を開発しました。同車には、近い将来商品化が予定されている衝突被害軽減ブレーキ「AMB」(Active Mitigation Brake)と、車両挙動安定装置「ESP®」(Electronic Stability Program)を搭載し、すでに実用化されている運転注意力モニター「MDAS‐III/エムダススリー:Mitsubishi Driver’s Attention monitoring System−III)を初めとする様々なアクティブセーフティ技術のほか、運転席エアバッグや衝撃吸収キャブなどのパッシブセーフティ技術もふんだんに取り入れています。いわば、すでに実用化している安全技術と、「AMB」や「ESP®」など新しいアクティブセーフティ技術を融合させたコンセプトモデルが「Safety Truck」です。

三菱ふそう 「Safety Truck」
*ESP®はダイムラー社の登録商標です。

「Safety Truck」の主な特長
三菱ふそうの安全に対するシンボルです。
当社独自に開発した「MDAS-III」や、国土交通省が主催する「ASVプロジェクト」で培われた技術を含む多くの安全技術を搭載しました。
近い将来商品化が予定されている衝突被害軽減ブレーキ「AMB」と、車両挙動安定装置「ESP®」を搭載し、その結果、日本で最先端の安全技術を備えているトラックです。
ダイムラー社のMercedes-Benzも2006年に同様の目的で「Safety Truck」を発表しています。


1.三菱ふそうの安全技術

MFTBCは、事故が発生する前の“より早い段階”で事故抑止効果を発揮する予防安全装備こそが大切であると考え、安全技術の開発を行ってきました。その成果のひとつが、1996年に大型トラック「スーパーグレート」に搭載した運転注意力モニター「MDAS」です。これはドライバーの運転注意力が低下したときに音とメーター表示で警報を発し、ドライバーに注意を促し、事故の発生する可能性から遠ざけるというアクティブセーフティ技術です。これらのアクティブセーフティ技術だけでなく、運転席エアバッグ、衝撃吸収キャブ、衝撃吸収ハンドルなど、さまざまなパッシブセーフティ技術も同時に採用展開し、万が一の安全性を高めています。またMFTBCは国土交通省が主催する「ASV」(Advanced Safety Vehicle)にも参画し、そこで培われた様々な安全技術を実用化しています。



2.三菱ふそう「Safety Truck」
(1)概要

「Safety Truck」は、社会の皆様に現在のトラックの安全技術のさらなる可能性をご覧いただくとともに、安全についてご理解いただくため、また今後の安全技術の開発に活かすため、「三菱ふそうの安全技術のシンボル」として開発しました。

ベース車両は、07年にメジャーチェンジを行った「新型スーパーグレート」のトラクターです。これに運転注意力モニター「MDAS-III」や「MDAS-III」と連動した「ディスタンスウォーニング」などMFTBCが実用化している多くの安全技術と衝突被害軽減ブレーキ「AMB」、車両挙動安定装置「ESP®」などの開発中の安全技術を組み合わせました。

なお、「Safety Truck」の開発は、ダイムラー社においても行われており、2006年にMercedes-Benzが発表した「Safety Truck」は、ドイツの自動車連盟であるADAC(Allgemeiner Deutscher Automobil-Club)から、その高い安全に対する技術が評価され表彰されました。

また、ダイムラー・トラック部門は、2005年より部門内でのネットワークの強化を促進し、グローバルな相乗効果を高めることで技術と収益両面において確実な長期的将来基盤を構築する「グローバル・エクセレンス」プログラムを実行しています。「Safety Truck」の開発は、当プログラムの4つのイニシアチブ(マーケットサイクル管理、オペレーショナル・エクセレンス、成長および市場開拓、将来の製品および技術)の一つである「お客様が求める将来の製品と技術の開発」を具現化したものです。


(2)装備した安全技術
@ 運転注意力モニター「MDAS-III」(実用化済)
 

現在、「新型スーパーグレート」の長尺カーゴ系に標準装備している運転注意力モニター「MDAS-III」は、ドライバーの運転注意力低下を警報するMFTBC独自の運転支援システムであり、「より早い段階でのアクティブセーフティ」の中核をなす安全技術です。警報にはマルチ情報システム「Ivis」(アイビス/Intelligent Visual Information System)による注意力レベル表示のほか、ブザーやラジオのスピーカーを利用した警報も備わっています。キャブ中央に配置された白線認識カメラによる画像や、ハンドル修正量、ウインカー操作などの情報をもとに、蛇行運転などの運転状況や操作状況を判断して、必要な場合に警報(注意力低下警報)を発します。判断ロジックにはファジィ推論を応用し、「Ivis」の表示画面にその結果を表示(15秒周期で更新)します。ドライバーの個人差に対応するため、システム起動後車速60km/h以上で両側の車線を認識後15分間で各ドライバーの走行パターンを学習します。また、用品オプション設定のドライブレコーダー「ふそうエコフリート」を車載時には、「MDAS-III」の警報履歴を記録することができ、安全運行の管理に役立ちます。

A 衝突被害軽減ブレーキ「AMB」(Active Mitigation Brake)(開発中)
 

「AMB」は前方車両への追突が避けられないときに、状況に応じて自動ブレーキを介入させることで、衝突時の速度を減少させ、被害を軽減するアクティブセーフティ技術です。前方車両との距離をミリ波レーダーで監視し、追突の危険性がある場合には、まず警報音を発し、ドライバーに追突の危険性があることを知らせます。回避操作が行われない場合は、報知音と緩いブレーキを作動させます。なおも回避操作が行われず、すでに回避ができないと判断した場合には、報知音と強いブレーキを作動させ、衝突速度を抑えます。

B 車両挙動安定装置「ESP®」(Electronic Stability Program)(開発中)
 

エンジン出力制御、トラクターの適切な車輪に対する独立したブレーキ制御、トレーラーのブレーキ制御によって車両を安定方向に導きます。滑りやすい路面での安定化だけでなく、旋回中の過大な遠心力による横転も抑制します。大型車は積載時に重心が高くなるため旋回時に横転する危険性が高くなります。「ESP®」は、こうした横転事故抑制に効果を発揮します。また、セミトレーラーの連結部が折れ曲がってしまうジャックナイフ現象などの抑制にも効果があります。

C その他の主な安全装備(実用化済)

ディスタンスウォーニング
ディスタンスウォーニングは、前車との車間距離が一定距離以下になると警告音と警告表示でドライバーに注意を促します。また、「MDAS-III」と同時に装着されると、適正な車間距離警報タイミングをドライバーの注意力に応じて最適化します。

車間距離保持機能付オートクルーズ
補助ブレーキ連動オートクルーズに加え、前車との距離を一定に保ったままの走行を可能とする機能を追加しました。
セーフティビジョン
車体後部とサイドミラーに装備したCCDカメラによる画像を、インナーミラー部に設置した液晶モニターに表示します。
複合曲面ミラー
ミラーの鏡面を複合曲面とすることで、死角となりやすい車両下部の視界を確保します。
「FUP」(Front Under-run Protection)
正面衝突時に乗用車などがフロントバンパー下へ潜り込むことを防ぐための装置です。
衝撃吸収・分散ステアリングホイール
衝突時の衝撃吸収性に優れたエアバッグ内蔵型の4本スポークステアリングを採用しています。
サイドドアビーム
衝突時にキャビンが大きく変形することを防ぐ役割のほか、乗員の安全性を向上させます。
EA&プリテンショナー付シートベルト
衝突時にSRSエアバッグの作動と同時にシートベルトのたるみを一瞬にして巻き取ることで、乗員のシートへの拘束力を高めます。



私たち三菱ふそうトラック・バス株式会社は、「商品・人・サービス」など企業活動のすべてについて「お客様・社会全般・地球環境」のために何ができるのか、何をなすべきなのかを考えます。 私たちの企業活動を「All for you」という言葉に込め、すべての大切な社会や環境、そして、大切なお客さまのために役立てていけるよう追求しつづけます。


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