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自主点検結果

1. 点検実施率および基準値超率

4月22日時点の点検台数およびハブ摩耗基準値超台数は下表の通りとなり、摩耗基準値超の比率は16.3%となりました。
今回設定したハブの摩耗基準0.8mmは、ハブ摩耗量と残存寿命との関係から導き出したもので、十分な残存寿命を確保した余裕を持ったものですが、摩耗基準値超の比率の高さはこの基準によることと、ホイール交換後の増し締め未実施、無給脂でのボルト締付け等の不適切な点検整備が予想以上に多かったためと考えております。
なお、4月22日までの点検台数は67,204台、実施率は73.1%です。また、4月22日までに入庫の予約をいただいた台数は16,325台ありますので、予約を含めますと、点検実施率は90.8%になります。

対象生産
台数
対象登録
台数
集計済
点検台数
<内>
基準値超
台数
未集計
点検台数
点検台数
合計
F[C+E]
予約点検
台数
点検見込み
台数合計
H[F+G]
123,951
91,977
62,843
(68.3%)
<10,232>
<16.3%>D/C
4,361
67,204
(73.1%)
16,325
83,529
(90.8%)

( )内は対象登録台数に対する比率

 

集計済み点検車種の詳細データ

車種
対象生産
台数
対象登録
台数
点検台数
実施率
I (C/B)
基準値超
台数
基準値超率
J(D/C)
大型
トラクタ
19,264
12,833
9,199
71.7%
1,023
11.1%
大型
ダンプ
31,295
25,787
16,779
65.1%
3,822
22.8%
大型
観光バス
8,706
8,085
6,333
78.3%
1,034
16.3%
上記以外の
大型車
64,686
45,272
30,532
67.4%
4,353
14.3%
合計
123,951
91,977
62,843
68.3%
10,232
16.3%

 

2. ハブ調査結果

(1) タイヤ脱落事故のハブの調査 本年2月6日以降に新たに発生いたしました4件のタイヤ脱落事故を含めて過去のタイヤ脱落事故の原因は整備などが不適切であったためであると考えております。
そのうち4月22日に発生致しましたタイヤ脱落事故車両(ダンプ車)は3月4日にハブ点検を実施致しましたが、ハブ摩耗量が基準値内であったためハブ交換を行なっておりませんでした。事故車は約250%積載であったこと、非純正ホイールナットによる過締付の状態であるなど車両管理が不適切な特異なケースと考えておりますが、道路交通安全確保のため更なる精査を行います。
なお、本年1月に発生致しました横浜での大型トレーラーのタイヤ脱落による死亡事故について三菱自動車は真摯に受け止めておりますが、原因については現在神奈川県警で捜査中であり、当社として説明できるものではありません。

(2) 点検による摩耗交換ハブの調査

  1. 三菱自動車は、摩耗状況の調査とデータ収集のために交換した摩耗ハブを当社トラック・バス開発本部に搬送し、ハブの摩耗状況および使用状況を順次点検いたしてまいりました。さらに、当社直接および販売会社経由でハブ交換車両の使用状況と整備履歴についての聞き取り調査を実施致しました。

  2. 返却された摩耗ハブの点検結果、ハブのホイ-ル取り付け面への塗装などボルト締め付け力の低下へ繋がるような不適切な使用が散在致しており、それらが摩耗を加速させる要因の一つであると考えられます。

  3. ユーザーへの聞き取り調査では、当該車の不適切な使用方法の他、点検整備の不適切例としてホイ-ル交換後の増し締め未実施、無給脂でのボルト締め付け、またホイ-ル取り付け面への塗装などの情報を得ております。一方、点検整備が正規に行なわれている場合ハブ摩耗は小さいという情報も得ております。

  4. 当社はハブの摩耗再現テストも実施致しました。ホイールナット締め付け不良の場合、ハブの摩耗量が正規締め付けの1.3〜5倍増大するため、ハブの強度に大きく影響するとともにハブの破損につながる可能性があることを確認致しております。

  5. 当社は、また新品ハブおよび摩耗ハブで整備不良の再現テストも実施致しました。ホイールナット締め付け不良の場合、ハブの応力は10〜30%増大し、ハブの強度に大きく影響するとともにハブの破損につながる可能性があることを確認致しております。

  6. 当社は返却された摩耗ハブの残存寿命検証のため 0.8〜1.1mmの摩耗ハブ(サンプル数=4)について台上テストを実施致しました。タイヤ取り付けが正規で通常の使用条件であれば、200万km以上の走行が可能であることを確認致しております。

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以上


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