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国内初、シリーズ式電気ハイブリッド(HEV)大型路線バスの運行開始

43%の燃費向上と60%のNOx低減で最新のクリーン性能を達成
公共性、福祉性、高い環境性能に加え、インフラにも配慮

2002年6月7日


三菱自動車では、ふそう大型路線バス「エアロスターノンステップ」に電気ハイブリッド(HEV)駆動システムを搭載した、「エアロスターノンステップHEV」を開発しました。「エアロスターノンステップHEV」は、国内で初めて路線営業するシリーズ式HEVバスであり、遠州鉄道株式会社(本社:浜松市 鈴木敬彦社長)が、サッカーワールドカップ大会静岡スタジアムエコパ会場へのシャトルバスとして運行します。

1. 開発の背景

近年、都市内を走行する路線バスには、大気汚染の深刻化に伴う排出ガス低減、および経済性、地球温暖化防止対策としての低燃費化(CO2排出量の低減)が切に求められています。
このたび完成した大型路線バス用電気ハイブリッド(HEV)駆動システムは、低公害車として全国に普及させるために、新たなインフラ整備が不要な現行ディーゼルエンジンを動力源としています。その上で排出ガス・燃費・騒音を大幅に低減し、環境との調和を図ると共に、合理的な機器配置によって広いノンステップフロアを可能にする、実用性の高い理想的な駆動システムです。


「エアロスターノンステップHEV」(遠州鉄道)

HEVシステム概要図

2. 車輌の概要

「エアロスターノンステップHEV」は、エンジンを発電専用とし、モーターのみで走行するシリーズ式ハイブリッド方式を採用した「エアロノンステップHEV」(2000年東京モーターショー参考出品車)をベースに、高密度リチウムイオン電池のエネルギー収集性能の向上、エンジン吸排気系へのクールドEGR・酸化触媒の追加などにより、43%の燃費向上と60%のNOx低減を実現し、低公害車(LEV)レベルの環境性能を達成しました。またノンステップバスの乗降性・走行性を更に高めるニーリング・車高アップ装置の使い勝手の向上など、低公害ノンステップバスとして地球にやさしく人にやさしい性能を更に向上させました。

3. 運行路線について

今回、「エアロスターノンステップHEV」は、6月11日から実施されるサッカーワールドカップ大会静岡スタジアムエコパ会場(静岡県袋井市)に於けるJR掛川駅〜会場間の観客シャトル輸送として運行が開始され、ワールドカップ大会終了後は、遠州鉄道の一般バス路線での運行が予定されています。

4. 今後について

「エアロスターノンステップHEV」は、今回の運行開始後も遠州鉄道と乗客皆様のご意見を元に、使い勝手などを更に向上させて、2003年以降の量販を目指します。

5. 遠州鉄道株式会社概要

設立: 1943年(昭和18年)11月
本社所在地: 静岡県浜松市旭町12番地1
取締役社長: 鈴木敬彦(すずきよしひこ)氏
営業地域: 静岡県浜松市を中心に県西部地域
路線バス車両数: 411台
(うちノンステップバス126台 ノンステップ率30.7% 2002年6月現在)
路線バス免許キロ数: 888.37km


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