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大型車ハブに関する自主点検措置の進捗と新たな自主対策措置について

2002年11月15日


三菱自動車は、本年1月22日から当社製の一部大型車のハブについて自主点検措置を行い、その結果11月9日現在94.2%の自主点検を終了いたしております。また、アルミホイール装着車においては、ホイール側の摩耗および稼働状況等の要因によりハブの亀裂から破損につながる可能性があるため、道路交通の更なる安全確保のため新たな点検基準(ハブ〜アルミホイール隙間量)に基づく追加自主点検措置を7月26日(金)より開始し、11月9日現在61.0%の自主点検を終了いたしております。

前回発表の7月26日以降、8月7日にタイヤの脱落が1件ありましたが、これは当該車両が過去に起こした追突事故の影響による特異例と考えられます。しかし点検措置を実施しているのにもかかわらず10月7日以降、4件のタイヤ脱落がありました。これらは何れもハブ摩耗量またはハブ〜ホイール隙間量の交換基準超えが原因であり、本来は自主点検時または12ヶ月点検時に発見されるべきものでありましたが、ホイール種類の誤認および点検時の摩耗量計測不良により適切な措置がとられなかったためタイヤ脱落に至ったものであります。タイヤ脱落の原因は、点検整備の問題ではありますが、点検実施をフォローすべきメーカーである当社としても積極的な対応の必要性を強く認識しております。

三菱自動車は、ハブ問題については、自主点検によって全ての問題点を摘出するとともに、過去に起こした追突事故等の影響・過積・過酷使用等による特異な事例の不具合についても、自主点検時に発見できるような方策を検討してきました。しかしながら、ユーザー、整備業者への啓発活動の浸透には限界があり、残念ながら過去のボルトの締付け不良など整備上の問題、また過積載等使用状況の問題等を点検時において全て把握できるものではありません。

ハブ破損によるタイヤ脱落事故の再発防止と道路交通安全の確保が三菱自動車にとって最優先課題であると考えております。当社は、それらを達成するため改めてハブの点検措置について検討いたしましたが、従来までの自主点検措置では摘出できない車両の使用状況及び整備状況、また自主点検時の人為的ミスの可能性、さらにユーザー、整備業者への自主点検措置の追加依頼が限度にある状況等を鑑み、ハブ未交換車については全数ハブ交換の追加自主対策措置(*1)を11月15日より実施することになりましたので、本日(11月15日)発表いたします。

三菱自動車は道路交通の安全を一層確実なものとするためメーカーとして今後も販売会社、整備業者、ユーザー等との協力のもと更に努力する所存です。

以 上

ご参考資料
(*1) 追加自主対策措置の概要
(*2) 1月22日と7月26日開始の自主点検措置の進捗状況
(*3) ハブ破損の商連書および不具合一覧表


(*1) 追加自主対策措置の概要

1. 追加自主対策措置開始日:2002年11月15日(金)

2. 対象車種及び台数:
  下記対象車のうち自主点検時にハブを交換していないすべての対象車両のハブを無償にて交換。

生産期間
現在実施中の自主点検
対象登録台数
交換予定台数*
大型トラクタ
1986/11〜1997/2
12,149台
10,942台
大型ダンプ
1986/10〜1996/4
24,771台
19,710台
大型観光バス
1987/11〜1997/12
7,927台
6,769台
その他大型車
1986/10〜1997/12
42,712台
37,193台
合 計  
87,559台
74,614台

*交換予定台数は、自主点検対象登録台数から既に基準値超にてハブを交換している車両を差し引いた台数になる見込みです。

3. ユーザーへの周知:直接訪問またはダイレクトメールにより通知する。


(*2) 1月22日と7月26日開始の自主点検措置の進捗状況(2002年11月9日現在)

1. 1月22日開始自主点検措置の進捗状況

車種
対象登録台数
(A)
点検台数
(B)
実施率
(C=B/A)
基準値超台数
(D)
基準値超台数率
(E=D/B)
大型トラクタ
12,149台
11,504台
94.7%
1,207台
10.5%
大型ダンプ
24,771台
22,959台
92.7%
5,061台
22.0%
大型観光バス
7,927台
7,840台
98.9%
1,158台
14.8%
上記以外の大型車
42,712台
40,194台
94.1%
5,519台
13.7%
合計
87,559台
82,497台
94.2%
12,945台
15.7%

交換基準:
ハブの摩耗が規定以上(摩耗量が0.8mm)の場合は、新品ハブに無償で交換。

2. 7月26日開始アルミホイール装着車の自主点検措置の進捗状況

車種
対象推定台数
(A)
点検台数
(B)
実施率
(C=B/A)
基準値超台数
(D)
基準値超台数率
(E=D/B)
大型トラクタ
344台
171台
49.7%
15台
8.8%
大型ダンプ
863台
382台
44.3%
38台
9.9%
大型観光バス
3,050台
2,156台
70.7%
110台
5.1%
上記以外の大型車
1,769台
967台
54.7%
70台
7.2%
合計
6,026台
3,676台
61.0%
233台
6.3%

交換基準:

  1. ハブ〜ホイール隙間量が0.9mm以上のものは、ハブを新品に交換。
  2. ホイール単体での摩耗量が0.7mm以上のものは、ホイールを交換。なお、摩耗量が0.3mm超〜0.7mm未満のものはホイール交換を推奨。。

(*3) ハブ破損の商連書および不具合一覧表

1. 2月6日発表時に確認出来た商連書情報

(1) 大型トラック

No
車両型式
架装
年式
不具合発生日
走行距離 (km)
タイヤ外れ
発生
都道府県
1
FV411J
ダンプ
95年式
1998年6月3日
142,455
有り
北海道
2
FP415D
トラクタ
94年式
1998年12月10日
597,113
有り
北海道
3
FV411J
ダンプ
93年式
1999年1月20日
313,492
有り
高知県
4
FV411J
ダンプ
95年式
1999年3月23日
307,000
有り
愛知県
5
FV411J
ダンプ
94年式
1999年8月5日
572,454
有り
栃木県
6
FU410U
冷凍車
94年式
1999年8月6日
890,047
有り
兵庫県
7
FV415JR
トラクタ
95年式
1999年11月26日
454,836
有り
石川県
8
FV414JR
トラクタ
94年式
2000年2月28日
360,000
有り
滋賀県
9
FV419T
冷凍車
95年式
2000年3月7日
353,000
有り
千葉県
10
FU415U
カーゴ
88年式
2000年4月5日
751,123
有り
栃木県
11
FV411J
ダンプ
93年式
2000年8月3日
575,742
有り
岩手県
12
FU418U
冷凍車
89年式
2000年9月7日
1,012,000
有り
広島県
13
FV415JR
トラクタ
94年式
2000年10月2日
560,971
有り
鹿児島県
14
FV419PZ
カーゴ
96年式
2000年12月15日
415,000
なし
15
FV411J
ダンプ
94年式
2001年2月13日
388,820
有り
山形県
16
FV411J
ダンプ
93年式
2001年3月9日
550,360
有り
埼玉県
17
FU416U
平ボデー
94年式
2001年4月13日
716,033
有り
宮城県
18
FV419J
ダンプ
96年式
2001年5月16日
438,650
なし
19
FU410U
ウイング
95年式
2001年7月26日
813,226
有り
京都府
20
FV412J
ダンプ
96年式
2001年8月28日
484,136
有り
愛知県
21
FV414JR
トラクタ
94年式
2001年9月27日
420,000
有り
大阪府
22
FV419J
ミキサ
96年式
2001年10月15日
216,655
有り
北海道
23
FV415JR
トラクタ
96年式
2001年11月16日
463,241
有り
茨城県
24
FV416J
ダンプ
94年式
2001年12月25日
635,000
有り
三重県
25
FV424JR
トラクタ
96年式
2002年1月6日
378,000
有り
福井県
26
FV419J
ダンプ
91年式
2002年1月19日
850,390
有り
東京都

(2) 大型バス

No
車両型式
架装
年式
不具合発生日
走行距離
(km)
タイヤ外れ
発生
都道府県
1
MS726S
都市間路線
92年式
1999年6月28日
893,029
有り
島根県
2
MS725S
観光
90年式
2001年6月12日
740,000
なし
3
MS725S
観光
90年式
2001年9月28日
816,318
有り
高知県

 

2. 販売会社への精査で判明した'98/4以前の不具合情報

No
車両型式
架装
年式
不具合発生日
走行距離(km)
タイヤ外れ
発生
都道府県
1
FU419U
冷凍車
89年式
1992年6月21日
531,754
有り
東京都
2
FV419T
カーゴ
87年式
1994年6月21日
不明
有り
三重県
3
FU419U
ウィング
93年式
1996年4月5日
727,440
なし
4
FU411U
ウィング
93年式
1996年9月10日
403,034
なし
5
FV411T
冷凍車
93年式
1996年11月11日
483,912
有り
新潟県
6
FV411T
冷凍車
92年式
1997年3月29日
500,016
有り
新潟県
7
FV411J
ダンプ
93年式
1997年11月25日
472,818
有り
広島県
8
FV416J
ダンプ
89年式
1997年11月26日
708,733
なし
9
FV411J
ダンプ
93年式
1997年12月1日
474,558
有り
広島県
10
FV411J
ダンプ
93年式
1998年1月29日
499,735
有り
茨城県
11
FV416J
ダンプ
89年式
1998年2月3日
680,900
有り
栃木県

 

3. 2月6日以降に販社から連絡があった商連書情報

No
車両型式
架装
年式
不具合発生日
走行距離
タイヤ外れ
都道府県
1
FV411J
ダンプ
95年式
2002年2月12日
815,900
有り
東京都
2
FV411J
ダンプ
93年式
2002年3月18日
716,164
有り
埼玉県
3
FV419J
ダンプ
93年式
2002年4月4日
899,315
有り
栃木県
4
FV411J
ダンプ
94年式
2002年4月22日
846,555
有り
埼玉県
5
FU411U
ウィング
93年式
2002年6月21日
1,006,317
有り
岐阜県
6
FV416J
ダンプ
95年式
2002年8月7日
755,003
有り
茨城県
7
FU476U
ウイング
91年式
2002年10月7日
786,046
有り
兵庫県
8
FV411T
冷凍車
92年式
2002年10月10日
1,110,237
有り
茨城県
9
FV411J
ダンプ
93年式
2002年10月16日
559,477
有り
石川県
10
FV411P
フルトレ
94年式
2002年11月5日
854,529
有り
兵庫県
ダンプ・ミキサ
23 (21)
トラック
17 (14)
トラクタ
7 (7)
バス
3 (2)
これまでの商連書・不具合情報の合計
50 (44)
( )内はタイヤ脱落件数

以上


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