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2004年5月20日

2004年5月20日 記者会見の概要


2004年5月20日、三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)のヴィルフリート・ポート代表取締役社長兼最高経営責任者は、以下の内容を公表しました:

以前発表した厳格な社内調査の結果、4件の品質問題が判明しました。そのうち1件は、2002年10月に山口県内で発生した死亡事故につながった可能性が考えられます。被害者のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に衷心よりお詫び申し上げます。

更に、ポート社長は、以下の点について言及した:
  • MFTBCは国土交通省と共に、即座にリコール措置を行いました。
  • 一刻も早く初動措置を行うために、お客様に対しダイレクトメールを通じて連絡をしました。
  • 同時にMFTBCは恒久対策の最終確認作業を行っています。

4件の品質問題について:

最初のケースは、大型トラック、スーパーグレートにおけるプロペラシャフト接合部分のナット緩みによる、プロペラシャフトの脱落です。これは2003年にリコールを行ったケースですが、対策が不十分であると判断しました。生産台数はおよそ8,000台、商連書は現在までに12件報告されております。

2件、および3件目は大型観光バスにおける問題です。その一つは、同じくプロペラシャフトの不具合によるものです。もう一つはパーキングブレーキの不具合です。これら二つのケースの生産台数はそれぞれ250台と4,000台です。商連書は現在までにそれぞれ6件と48件報告されております。

最後に1983年から1996年に生産された大型トラック、ザ・グレートのクラッチハウジングの亀裂について説明いたします。プロペラシャフトが過剰に振動した場合、エンジントランスミッションが共振し始め、クラッチハウジングの亀裂につながる可能性があります。最悪の場合にはプロペラシャフトの部品が車両から脱落する恐れがあります。これにより、ブレーキホースなどの車両本体が破損する可能性があるとともに、他の道路利用者に危険をもたらす恐れもあります。
対応策としましては、エンジンとクラッチの間にスティッフナの追加およびトランスミッションスプライン部結合のタイト化です。生産台数は約17万台ですが、現在市場において実際に稼動している車両はこのおよそ半数となります。商連書は現時点で把握している限りでは約70件です。その内、当社の電子システムによると、先ほど述べた死亡事故を含む人身事故が3件おきています。

本来であれば1996年当時にリコールしなければならなかったことは明白であります。しかしながら、限定的な指示改修に留められ、その後も何ら改善策を講ぜず放置されていました。これは、その当時からの隠蔽体質の結果であります。しかし、今回遅きに失したとは言え、社内調査の過程で心ある社員らの自発的申告が直ちに報告されたことにより、これまで隠されていた不具合が明らかとなりました。これは、現経営陣の下で強化されつつある、風通しのよい社内風土ができつつあることを示していると考えています。当社は2003年の初めから、品質管理システムの組織的な改善に取り組んでおります。組織的、体系的な変革は、社内の新たな取り組み姿勢を伴い始めました。

クラッチハウジングのケースは事実を隠ぺいする体質があったことを示しています。
安全性に関連する事実の隠蔽は我々のお客様に対して、社会に対して、そして現在の三菱ふそうの経営陣と従業員にとっても、全く許されない事です。2003年からの新経営体制の下で、最近の変化を含め、社内にはこれまでとは違った新しい空気や態度が生まれてきています。本日発表しました新事実の判明にいたるプロセスこそ、その最良の証明です。


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