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社内処分/企業統治体制強化他についての取り組み


2004年6月2日

企業文化の改革に積極的に取り組んでいる三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)は、本日、現在進めている活動の進捗状況並びに新たな取り組み以下3項目について報告致します。

  • 「フロント/リアハブ」及び「クラッチハウジング」リコールの品質問題に関係する社員29名の社内懲戒処分
  • 企業統治体制の強化
  • 品質に関する情報公開を強化するためのコミュニケーション・チャネル創設

先週、元幹部および現社員が起訴されました。当社はこの件を真摯に受け止めております。本日、取締役社長兼CEOのヴィルフリート・ポートは、当社のお客様、そして関係者の皆様にご迷惑、ご心配をおかけしたことに対し、改めて謝罪の意を表明致します。

ヴィルフリート・ポートは、次のように述べました。「過去の不正に対して、心よりお詫び申し上げます。新経営陣は今後、全力で品質対策の強化に取り組んで参ります。長期に渡ってお付き合いいただいているお客様を含め、多くの皆様の信頼を完全に取り戻すために、今後も品質に関する社内調査を断行して参ります。」

当社は同時に今後とも捜査当局に対して全面的に協力して参ります。



社内処分について
5月20日の記者会見で、当社は「フロント/リアハブ」、および「クラッチハウジング」の過去のリコール2件の品質問題に関与した社員に対して、社内懲戒処分を行う旨発表致しました。
社内調査の結果から、過去の不正に関して以下3部門に責任の所在があると断定しました。

  • 試験標準を遵守せず、設計目論見のフォローを怠り、日常的業務遂行や事故報告に対する取り組みや対応検討が不十分であったことから、開発本部を処分の対象とします。
  • 商品情報連絡書(PQR)の不適切な管理、国土交通省に対する報告の遅延、適切・迅速な対応を取らなかったことから、品質統括部を処分の対象とします。
  • 指示改修を取りやめたにも係らず、リコールの届出を行わない等、市場に対する適切な対応を取らなかったことから、サービス部門を処分の対象とします。

以上のとおり、旧トラック部門幹部及び社員の責任は重大であります。しかし、このような事態を引き起こした原因として、当時の関係上層部の大綱方針が、無言の圧力となっていたと思われる面があると判断しております。

以上の社内調査の結果から、本件に直接関っていた合計29名を処分の対象としました。

  • 出勤停止4名:(統括部長2名、シニア・マネジメント2名);停止期間=5日間
  • 減給6名(執行役員2名、統括部長1名、シニア・マネジメント3名)=執行役員; 30%減俸を3ヶ月、統括部長及びシニア・マネジメント;賃金1日分の50%をカット
  • けん責19名(シニア・マネジメント3名、マネージャー/エキスパート16名):始末書提出

これらの懲戒処分は労働基準法、及び会社の規則に基づいて決定されました。



企業統治体制の強化について
企業文化改革への積極的な取り組みとして2つ目にあげられるのが、企業統治体制の強化です。この統治体制の強化が当社の改革に不可欠であることは明確であります。従って、先にハブ問題の発生を機に、既に発表しましたように、下記二つの委員会を発足致しています。

  • 品質諮問委員会
  • 企業文化改革推進委員会

両委員会は、それぞれすでに活動を開始し、今後の一連の改革に向けたスケジュールを調整しています。

「品質諮問委員会」は当社改革の重要な役割を担っております。当委員会の任務は、品質向上の具体的な対策を検討し決定することです。

当委員会は5月17日に第1回目の委員会を開催いたしました。委員会は当社会長の堀他、以下の3名の外部専門家で構成されています。

  • 中島尚正(なかじま なおまさ) 委員長:放送大学(千葉県)副学長、東京大学名誉教授
  • 吉森賢(よしもり まさる):放送大学教授、横浜国立大学名誉教授
  • 今村英明(いまむら ひであき):ボストンコンサルティンググループ、ヴァイス・プレジデント

当社が特に外部の専門家の助言を求めたのは、彼らの専門知識と独立した立場から公平な指示を受けられると考えたからです。

当委員会は以下3つの課題に取り組む小委員会を設けています。

  • 設計/評価分科会
  • 品質問題対応プロセス分科会
  • 市場品質情報(PQR、クレーム)/販社サービス分科会

当社会長の堀は次のように述べています。
「我々の仕事は、企業統治体制強化のための改革のフレームワークを構築し、改革を断行していくことであります。もちろん、お客様、そして消費者の方々を第一に考えて進めています。」

次に、企業文化改革推進委員会は、経営戦略本部の植木敦(うえき あつし)の指揮のもと、社内の各部署から12名のメンバーを集めて構成されています。当委員会も以下の課題を検討事項として、すでに数回にわたる会議を開催いたしました。

  • 当社の企業文化、組織風土上の問題点の特定
  • 当社のあるべき企業風土の特定
  • 現状とあるべき姿のギャップの把握
  • ギャップを埋めるための改革への提言

両委員会ともに、検討事項の複雑性を考慮した上で、12ヶ月という明確な期限を定め、活動に取り組んでおります。その間、定期的な活動報告を行って参ります。



品質に関する情報公開の強化について
企業改革の実質的な活動の3つ目として、当社は本日、品質問題の経過報告をインターネット上で公開する新たな取り組みを発表致します。この目的は、品質問題の経緯及び取り組みの進捗状況を常に一般の方々に公開していくためです。この新たなサービスは来週から国内でスタート致します。具体的には、委員会の活動報告及びリコール問題の進捗状況を掲載して参ります。輸出車への対策に関しては、各国の規定に基づいて実施致します。
詳細はwww.mitsubishi-fuso.comをご覧ください。


進行中の品質問題について
現在進行中の品質問題についても、進捗状況を報告致します。

フロント/リア・ハブのリコール作業は現在、対象車種ごとに暫定対策を進める一方で、対策品の検証や確認作業を併行して行っており、6月末には恒久対策品についての報告ができる見通しであります。

クラッチハウジングについても対策部品の供給に時間を要する為、それまでの間は点検・整備、或いは不具合が発見されたものについては現行品の新品への交換などの暫定作業を開始しています。

5月20日にリコールの実施を発表した、大型観光バスのプロペラシャフトと駐車ブレーキ、大型トラックのプロペラシャフトの3件については現在、リコール届出に向けての諸作業を鋭意進めています。届出の時期については今日現在確定していませんが、出来るだけ早い時期に実施するよう取り組んでいます。



今後の取組みについて
本日の報告内容は、現時点で当社が把握している品質情報であります。
当社の透明性強化の一環として、品質問題の調査や判明事実の詳細を公開するため、近く記者会見を行う予定にしています。社内調査の取り組みが強化される中、今後新たなリコール問題が発覚する可能性は否定できません。新たな情報が判明した際には、その都度一つ一つ皆様にご報告する予定です。それこそ当社が2003年の初めから取り組んできた、組織的な品質管理の改善に反映されていくと確信しております。


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