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好調な2003年度決算は、現行の企業改革に強固な基盤を提供

2004年6月30日

  • 全世界販売台数前年比24%増
  • 営業利益は大幅増で320億円
  • 過去の品質問題に対して抜本的クリーンアップを開始
  • ダイムラークライスラーとの更なる統合と相乗効果

三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)は本日、2004年3月期の決算(連結ベース)を発表しました。

2003年度の海外および国内のトラック・バスの販売は大幅に伸び、合計193,000台に達し、前年比 24% 増となりました。

  • 海外販売 97,100台 (前年度比7%増)

  • 国内販売 95,900台 (前年度比48%増)

国内販売の著しい伸びは、特に首都圏における厳しい排出ガス規制の実施により、新たに生じた市場需要が主な要因です。


2003年度決算および貸借対照表
MFTBC の2003年度連結純売上高は2002年度の7,240億円から8,940億円に増加し、結果として前年比 23%増となりました。
2003年度連結ベースでの営業利益は2002年度86億円のほぼ4倍となる324億円に達しました。

純利益も同様に前年度15億円から175億円に大幅に改善しました。

MFTBC代表取締役社長・CEOヴィルフリート・ポートは、「分社後の独立企業としての最初の年に、三菱ふそうは業績を大幅に改善することが出来た。 我々は日本での市場リーダーとしての地位を保持するとともに、海外市場において事業を強化した。海外市場の売上は全体の販売台数の半分以上を占めている。」と述べました。

MFTBC単独ベースでの業績も前年より改善しました。 2003年度純売上高は6,110億円、経常利益は123億円に達した一方で、純利益は66億円に増加しました。これにより、MFTBC単独ベースでの繰越欠損金は99億円から33億円に大幅に減少しました。

MFTBC連結ベースにおいても、2003年度末有利子負債は1,431億円と、2002年度2,204億円と比べて35%減少しました。2004年3月31日のMFTBCの自己資本比率は32%に達しました。


過去の品質問題を徹底的に一掃
2004年度の見通しは、現在三菱ふそうが国内で直面している特別な状況を考慮しなければなりません。年初来過去の品質問題の隠蔽が発覚し、 その直接的な対応として、新経営陣は2003年早期に開始した厳格なる品質基準の実施を加速化しました。そして過去の品質問題を徹底的に一掃する作業を行って参りました。過去数ヶ月に及ぶ様々な個別の問題を取り上げ、43件のリコール及び4件の改善対策の実施を6月14日に発表し、10年以上に遡る品質問題の解決に向け取り組んでいます。

ポート社長はこういった難題について次のようにコメントしています。「我々は過去を徹底的に一掃することに全面的にコミットしている。高品質な商品にお客様からの敬意を集め、そして透明性の高い企業文化に社会一般から尊敬の念を持たれるような社会的責任を担う企業を創造していく。」

過去の品質問題を包括的に一掃していくことは、新生三菱ふそうに多大な影響を与え、2004年度の国内販売に強い影響を及ぼします。 三菱ふそうは安全と品質を最優先事項と考え、お客様のニーズを早急に満たし、かつお客様及び社会一般の信頼を取り戻すため、現在種々の方策を実行に移しています。 三菱ふそうは過去の不正に対し深い遺憾の意を抱き、早急に適切な対策を打つことにより、これらを是正しなければならないという社会的責任を十分認識しています。

現時点では品質に関連する対策及び問題が、財務上及び事業上どの程度の影響を与えるかということを最終的に評価することは出来ません。このような背景の中、三菱ふそうは2004年度の明確な事業予測及び財務上の見通しを立てられる状況にはありません。しかしながら、日本市場における2003年度の排出ガス規制の実施により増加した需要は、今年度は大幅な落ち込みが予想されます。


親会社ダイムラークライスラーによる全面的支援
MFTBCは、これらの取り組みに関し、親会社のダイムラークライスラーによる全面的な支援を受けております。特に、ダイムラークライスラーによりドイツから派遣されたエンジニアと技術エキスパートからなる強力なチームは、最高品質を確保し、必要なあらゆる手段を速やかに実行するためのふそうの取り組みを支援しております。

ダイムラークライスラーの支援を受けて、MFTBCは、現在の問題を解決することができると確信しております。MFTBCは品質と安全を会社の最優先事項としておりますが、2003年度に発表しました次の3つの中期的重点目標の実現にも全力を尽くしております。

  • ダイムラークライスラーとの提携強化により、効果的かつ効率的なプロセスを取り入れることができるようになり、2005年までに資材費を20%削減する。


  • 2005年までの3年間に、人員・各種プロセス・製品・生産施設への投資を2000億円まで増大させる。これは前の3年間と比較し50%の増加である。


  • 海外事業の販売台数を2008年までに20%増加させる。利益の伴う成長を目指すことは重点目標のひとつである。

2004年3月、MFTBCは、ダイムラークライスラーの完全連結子会社となりました。ダイムラークライスラーは、MFTBCの株所有率を65%にまで引き上げましたが、それによりMFTBCに対し、技術的・経営的・財務的な面での全面的かつ長期的な支援を約束しています。MFTBCは、商用車の技術的リーダーであり、世界最大の商用車生産を行うダイムラークライスラーの子会社として、これまでより有利な状況下で現在の問題を解決し、ひいては、この先トラック・バスの国際市場における厳しい競争に立ち向かうことができると確信しています。


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