三菱ふそうトラック・バス株式会社の代表取締役社長・最高経営責任者(CEO)ヴィルフリート・ポート(46歳)および代表取締役会長 堀 道夫(62歳)は、6月27日に開く定時株主総会を機に退任することとなりました。 後任の代表取締役社長・CEOには現ダイムラー・クライスラー社メルセデス・ベンツ乗用車購買部門副社長のハラルド ブルストラー氏(54歳)、同会長には現日本自動車輸入組合(JAIA)理事長で、ダイムラー・クライスラー日本取締役特別顧問の江頭啓輔氏(73歳)がそれぞれ就任の予定です。 今回の経営陣交代は、ダイムラー・クライスラー社に於ける人事異動に伴うもので、ポート氏はダイムラー・クライスラー社に戻り、現職と同等レベルの職務を担当する予定です。詳細は決定しておりません。昨年1月以降、ポート社長を中心に全力で取り組んで参りました一連の品質問題について、残された懸案事項の解決と、過去の総括ともいえる社外弁護士調査報告を6月中に行うことに一定のメドが立ったことから、本社の人事と合わせ今般の決定となりました。 新経営体制についてポート社長は、「この1年数ヶ月、一連の品質問題のクリーンアップと企業風土の改革に、全身全霊を傾け取り組んできました。長年にわたるリコール隠しと企業風土の変革には、様々な困難もあったものの、社内外のご支援を頂きながら、一応のメドがつきつつあるこの機会に、人心一新の体制で臨むことが適切と判断した」と述べています。 さらにポート社長は、「V-rod問題など当面の課題については、残された任期中に全責任をもって対応し、解決を図るとともに、6月末以降7月末まで特別顧問として社内にとどまり、新経営体制への引き継ぎに万全を期します。構造改革の第二段階に入る三菱ふそうが、新経営陣の下で品質向上、コンプライアンス強化および企業風土の改革をさらに進展させ、信頼回復を実現することを願っています。また、2003年1月の就任以降、三菱グループから寄せられた全面的なご理解にも深く感謝しています」と語っています。 一方、堀 会長は、特別顧問として当面社内に留まり、40年近い在職の経験を活かして新経営陣と社内各部門との調整補佐役を担う予定です。 今回の人事についてダイムラー・クライスラー社で商用車部門を統括するレンシュラー取締役は、「ポート社長、堀 会長には、三菱ふそう社が直面した非常に困難な時期に、全力で舵取りしてもらったことに非常に感謝しています。ダイムラー・クライスラーグループにおける三菱ふそうの位置付けは戦略上、引き続き重要であり、同社に対するコミットメントは今後も何ら変更ありません。ダイムラー・クライスラーの商用車世界戦略の中で、将来同社は技術面でもグループの牽引役となってくれると思います。品質向上面などダイムラー・クライスラーの強みの導入を図り、三菱ふそうが新経営陣のもとで、国内市場での信頼回復とグローバル企業への成長を図るべく、全面的な支援を続けていきます。」との所感を発表しています。 なお、国土交通省から調査指示を頂いているV-rod等の懸案事項に関しては、目下鋭意報告を取り纏めており、同省への回答提出後、6月中旬頃までに記者会見を開かせて頂き、ご報告申し上げます。