ふそう大型観光バス「エアロクィーンI・II・III」「エアロバスMS・MM」の
安全性と快適性を大幅に向上
また、エアロバスMSに「ハイデッカーSA観光」を追加して新発売
三菱自動車工業(株)では、観光バスの安全性について社会的関心が高まりつつある背景を踏まえ、ふそう大型観光バス「エアロクィーンI・II・III」「エアロバスMS・MM」を、衝突、転覆に対する安全性の向上を中心に予防安全性、乗り心地の改良等大幅に向上、また、観光業界からニーズの高い低価格化への対応としてエアロバスMSに新たに実用仕様「ハイデッカーSA観光」を追加し、12月18日(木)から全国ふそう系販売会社より発売する。
尚、生産については98年4月までは同社名古屋バス製作所で実施するが、同年5月以降は三菱自動車バス製造株式会社(社長 川口 薫弘)に集約する。
エアロクィーン I(スーパーハイデッカー・GX観光)[MS822P]
(撮影用特別仕様車)
1.商品概要
(1)衝突安全性の向上
前面衝突、転覆などの事故発生時に、乗員、乗客空間の拡大、乗員保護の強化、乗客の頭部の衝撃の軽減などを中心に、全車種にわたり安全性を大幅に向上させた。
1.前面衝突時の安全性向上
- 衝突安全構造ボデーの採用
運転席サイドボデー及び運転席床へのインパクトバーを追加すると共に、ボデーとフレームの結合強化を実施した。
- ドライバーの安全性向上
衝突時の乗員の保護性を高めるELR付3点式シートベルト(ショルダーアンカーアジャスター式)及び衝突時の衝撃から胸部、腹部の保護性を高める衝撃吸収ステアリングホイールを採用した。
- バスガイドの安全性向上
ELR付3点式シートベルトを設定(オプション)すると共に、回転ガイド席[*1]を設定(オプション)すると共にサービス機器レイアウトを見直し、バスガイドの安全性を大幅に向上させた。
[*1]:ガイド席を左客席前方へ移設すると共に、着席したまま観光案内を可能とする為、回転機能、上下昇降機能付シートを採用した。
- 乗客の安全性向上
シートバック装備品の灰皿を埋め込み式化すると共に、グリップのソフト化及び、最前列客席前のサービスBOXのソフトパッド化を実施した。
- 非常口横客席及び補助席にシートベルトを設定(オプション)した。
- 客席シートベルトの着用を容易にする為、窓側は黒、通路側はグレーとして左右シートベルトを色分けし識別し易いよう改善した。
2.車両転覆時の安全性向上
- ロアピラーの結合部の強化を実施し、車両転覆時の乗員、乗客空間を拡大した。また、これによりECE R66[*2](欧州ロールオーバー基準)をクリアーした。
[*2]:欧州統一車両法規(ECONOMIC COMMISSION FOR EUROPE REGULATIONS)で、R66はECE基準で定めるバスの上部構造の強度に関する統一規則。
(2)予防安全性の向上
事故の発生を未然に防止する予防安全性を高める為、走行時の安全性を向上させた。
1.ブレーキ性能の向上
- フルエアブレーキにウェッジ式ブレーキを採用したことにより制動効率、応答性を向上させると共に軽量化を図った。また、シューギャップオートアジャスター機構[*3]も採用(エアオーバーブレーキも同様)し整備性を向上させた。
[*3]:ブレーキシューとブレーキドラムの隙間をブレーキホイールシリンダーに内蔵された自動調整機構により常にその隙間を適正に保つ。
2.車間距離警報装置の改良
- レーザー光により前方との車間距離を計測し、ディスプレイに表示する車間距離警報装置(オプション)に検知範囲の広いスキャン方式を新採用することにより確実性を高めた。また、高速路線バス用途で好評の「ハイウェイライナー」には車間距離警報装置を標準装備し、高速道路運行時の安全性を高めた。
(3)快適性の向上
1.フルオートエアコンの改良
- 冷房ダクト前方に新たにファンを装着し、室内を3分割(前・中・後)にゾーンコントロールして車内温度分布を均一にするほか、日射時の車内前方部の冷房効果をアップした。
- 低外気温除湿機能により、外気−5℃までの窓ガラスの曇り防止と、四季を通じて除湿温度調節範囲が拡大し快適性が向上した。
(4)乗り心地の向上
- リヤサスペンションの改良、ルーフ及びサイドボデーの剛性を増大し、振動・騒音を軽減し乗り心地を改良した。
(5)イージードライブ化
1.INOMATを設定
- 大型トラック「スーパーグレート」でも好評のファジイ制御機械式オートマチックトランスミッション「INOMAT」を8M21エンジン[420PS]搭載車に設定(オプション)した。
「INOMAT」はオートドライブレンジに加え、状況に応じたドライバーの意志通りの走りを可能にするマニュアルレンジも併設しており、オートマチックの快適さとマニュアルトランスミッションと同等の低燃費を実現する。
2.三菱イージースタートシステム「イージーゴー」を設定(オプション)
- 車両を停止させた時のブレーキ力を保持し、発進時には自動的に解除して坂道発進を容易にする坂道発進補助装置。
(6)実用仕様「ハイデッカーSA観光車」の追加
国内旅行の低価格化や多様化する観光業界のニーズに対応する為に、エコノミーな価格を実現した「ハイデッカーSA観光」を新たに追加した。
ハイデッカー車(8DC11エンジン搭載車)をベースに、仕様を簡略化、実用本意を徹底追求し、低価格と機能を高次元で両立した。ベース車「EX観光」に対し、約10%程度お求め易い価格設定とした。
2.東京地区メ−カ−希望小売価格(消費税は含まず)
代 表 車 種
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価 格
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エアロクィーンI(スーパーハイデッカー・GX観光)[MS822P] |
35,250
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エアロバスMS (ハイデッカー・EX観光) [MS829P] |
29,540
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エアロバスMS (ハイデッカー・SA観光) [MS829P] |
26,400
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エアロバスMM (ハイデッカー・EX観光) [MM822H] |
21,230
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- 希望小売価格(車両本体価格)は、参考価格です。(1997年12月18日現在)
価格は各販売店にお問合せ下さい。
- 価格には、スペアタイヤ、標準工具、ジャッキが含まれます。
- 販売店でセットする付属品は、別途扱いとなります。
- 保険料、税金(含む消費税)、登録に伴う費用は別途申し受けます。
〒108-8410 東京都港区芝五丁目33番8号(三菱自動車ビル)